町立八丈病院、Kids Publicと来所型小児科オンライン診療 看護師同席で開始

遠隔健康医療相談サービスを提供するKids Public(キッズパブリック、東京・千代田区)は11月6日、町立八丈病院(東京・八丈町)と、小児科の「来所型オンライン診療」を開始したと発表した。

オンライン診療は、「D to P with N(医師が患者とオンラインでつながり、看護師が患者に同席する診察)」型で実施する。診療拠点の町立八丈病院に協力医療機関の看護師が同席し、専用機器で取得した医療データをもとに遠隔地の小児科医が診察を行う。

看護師が専用機器を使って患者の身体所見を取得する。従来のオンライン診療では難しかったバイタル(生体情報)の確認や聴診、咽頭、鼓膜などの所見観察を補い、より対面診療に近い医療提供を目指す。

町立八丈病院、Kids Public、協力医療機関の役割分担
町立八丈病院、Kids Public、協力医療機関の役割分担

町立八丈病院の医療従事者は診療を担当せず、オンライン診療を担当する医師や看護師は協力医療機関が配置する。診断や治療方針の決定、処方などの診療行為は、オンライン診療を実施する医師と所属する医療機関が責任を負う。キッズパブリックは実施に必要な医療機関や医療従事者との連携体制構築を支援する。

診療は八丈町在住の0~18歳の子どもを対象に、月2回の金曜日午後1~4時に町立八丈病院内で実施する。当日予約にも対応する。

「来所型オンライン診療」利用の流れ
「来所型オンライン診療」利用の流れ

患者は事前に指定のスマートフォンアプリをダウンロードし、利用者情報の登録や予約、問診登録を行い、受診日に町立八丈病院に来所しオンライン診療を受診する。受診後は必要に応じて処方箋を受け取り、診察料をアプリで支払う。

協力医療機関が東京都外にあるため、患者は診療時に医療費の自己負担分をいったん支払い、その後、八丈町に申請して助成対象分の払い戻しを受ける。

離島である八丈町では、小児科の診察を町立八丈病院の常勤医1名と非常勤医がほぼ365日24時間体制で担っている。そのため、医師にかかる負担を軽減し、持続可能な医療体制を確保することが喫緊の課題となっているという。

キッズパブリックは2025年2~3月、八丈町で看護師と専用機器、遠隔地の小児科医を組み合わせたオンライン診療の実証を実施。12日間で延べ64件を診療し、利用者の総合満足度と事業継続希望はいずれも100%だった。今回、実証結果を受け、本格運用に踏み切った。