インフォコム、診療情報管理システムに退院サマリー作成支援AI 大阪急性期・総合医療センターと開発

ITサービスのインフォコム(東京・港区)は7月6日、大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センターと、診療情報管理システム「Medi-Bank(メディバンク)」の退院サマリー作成支援AI(人工知能)機能を開発したと発表した。実運用の検証を行っており、2026年度中の販売開始を目指す。

「Medi-Bank」に、退院サマリー作成を支援するAI機能を実装した。外部の生成AIツールにデータをコピー・アンド・ペーストすることなく、セキュアなシステム内で直接退院サマリーの原案を自動生成する。

サマリーの原案は、電子カルテや病理システムなどと連携し、正確な診療記録をもとにAIが作成するため、医師の作成時間を大幅に削減するとともに、質の高い記録を作成できるという。看護師による看護サマリー作成もAI機能で支援する。

作成では診療科の記述ルールや、医師ごとの担当領域に応じたプロンプト(指示文)の設定ができる。導入施設のポリシー(方針)に応じて、事前にシステム設定が可能なほか、退院サマリーの作成中でもプロンプトを発行できるため、退院サマリー作成の精度が高められるとしている。

AI機能を搭載した「Medi-Bank」は、厚生労働省が推進する「電子カルテ情報共有サービス」の基盤技術である国際標準規格「HL7 FHIR」や、日本医療情報学会と日本診療情報管理学会が策定した「退院サマリー作成に関するガイダンス」に準拠する。そのため、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応した構造化データ管理ができる。

退院サマリーは、患者の診療経過を記録し、自院や他の医療機関と情報共有するための重要な文書。インフォコムによると、作成には多くの時間がかかり、高い品質も求められる一方で、複雑な診療記録から必要な情報を抽出・要約する作業も必要で、医師の働き方改革が進む中、作成業務の効率化と品質確保が課題になっているという。同社はこうした課題の解決に向け、診療情報管理システムと連動する退院サマリー作成支援AIを開発したとしている。

今後は、実運用を通じて成果を検証し、2026年度中の販売開始に向けて製品化を進める。また、退院サマリー作成機能だけではなく、医療文書全般の作成機能「Medi-UNITE(メディ・ユナイト)」や、薬剤師の指導記録作成支援システム「PICS(ピックス)」、看護師の勤務シフト作成支援システム「CWS(シーダブリューエス)」、DPC(診断群分類)請求支援システム「Medi-Bank/DPC(メディバンク・ディーピーシー)」などの病院向け製品へのAI活用と連携強化も計画する。