長野市民病院、ユニリタの生成AIクラウド導入 年間5472時間の業務時間を創出
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(左から)長野市民病院の高野与志哉・情報システム室システムマネージャー、草野義和・副理事長/上席副院長/診療部長、住昌彦・血液内科医師
ユニリタは4月16日、長野市民病院(長野・長野市)が、生成AI(人工知能)クラウドサービス「SecuAiGent(セキュアイジェント)」を導入したと発表した。電子カルテと連携し、医療文書作成や情報収集を効率化する。2025年4月から2026年1月までに、積極活用した職員111人で、月間約456時間、年間5472時間に相当する業務効率化を達成したという。
「SecuAiGent」は、セキュア学習技術を活用した生成AIクラウドサービス。ローカル環境やプライベートクラウド環境内に学習用モジュールを設置し、外部への情報漏えいやAIによる再学習を構造的に防ぐ設計を導入した。長野市民病院では電子カルテと連携し、診療データを安全に活用できる生成AI基盤として運用する。

同院では、電子カルテ内の診療記録や看護記録から必要情報を探す作業や、医師による退院サマリー作成に時間がかかっていた。導入後は、退院サマリーのドラフト作成時間が1人当たり平均10分から25秒、チーム医療での情報収集は患者1人当たり約30分から約3分に短縮した。
また、入院患者数が前年比5%増加する中でも、病院全体の時間外労働を削減した。病院スタッフへのアンケートでも、業務効率化と診療の質向上の双方で効果を実感する回答が多かったという。
長野市民病院は2023年2月に病院DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める専門組織「チームDIGITAL(デジタル)」を発足し、医師や看護師が患者との対話や診察に専念できる環境整備を進めてきた。
こうした中、ユニリタと既存のデータ活用基盤を拡張しながら共同で生成AIの開発・検証に取り組み、今回の導入につなげた。今後は、情報活用の高度化を支える「医療DXプラットホーム」として活用範囲を広げ、継続的な業務改善と診療の質向上の両立を目指す。