慈恵大とAWSジャパン、付属4病院の医療データ統合・活用で連携 生成AIで業務効率化も

(左から)包括連携協定を結んだ栗原敏・慈恵大学理事長と宇佐見潮・AWSジャパン常務執行役員パブリックセクター統括本部長

慈恵大学(東京・港区)とアマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン(AWSジャパン)は4月16日、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進で包括連携協定を結んだと発表した。連携期間は3年。付属の4病院の医療データを活用し、医療情報統合プラットホームを構築し、診療の質を高めるほか、生成AI(人工知能)を活用した業務効率化などを進める。

連携で注力するのは病院情報統合で、付属の4病院(付属病院、葛飾医療センター、西部医療センター、柏病院)の計2604床の医療データをAWSのクラウドで統合し、患者データの共有と診療連携に活用する。データを分析することで診療品質向上にも役立てる。医療データは、患者に同意を得た上で、電子カルテやPACS(医療用画像管理システム)などの情報を統合する。

慈恵大が取り組む5つの医療DX推進項目
慈恵大が取り組む5つの医療DX推進項目

医療従事者の働き方改革にも取り組む。退院サマリーや医療情報提供書(紹介状)の作成で生成AIを活用し、医療従事者の業務負荷の削減を図る。生成AIは「慈恵大が選んだモデルを導入する」(宇佐見AWSジャパン常務執行役員)。また、安全性の高いモバイルアクセスを整備し医用画像情報などを共有することで医療業務のプロセス標準化を図る。

医療情報統合プラットホームは共同研究のデータ基盤にも活用し、個別化医療や創薬につなげる。健診部門のデータ利活用や地域医療機関・介護施設とのデータ連携基盤を整備し、地域包括ケアの推進や遠隔医療の拡充につなげる。院内外に医療データバックアップ環境を構築し、災害時などでも医療データにアクセスできる体制を整備する。

宇佐見潮・AWSジャパン常務執行役員パブリックセクター統括本部長は「慈恵医大との連携はAIとクラウドで、医療の新たな解決策を生みだす取り組みになる」と強調した。

両者は連携の第一弾として健診部門のDXから着手する。健診データの統合管理・可視化システムを構築するほか、生成AIを活用した個別最適化された保健指導の手法開発、健診データを高度に分析し、高精度な疾病リスク予測モデルの研究開発に取り組む。

慈恵大学の栗原敏理事長は「4付属病院の医療データの統合的基盤を構築し、生成AI活用を推進することで、よりよい医療を患者に継続的に提供できる。日本の医療情報活用の先進的なモデルケースとなることを目指す」と語った。