TXPメディカル、広島県で救急医療情報システム「NSER mobile」の実証実験 利用率97%
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医療情報システム開発のTXPメディカル(東京・千代田区)は9月4日、広島県で実施した救急医療情報システム「NSER mobile(エヌエスイーアール・モバイル)」の実証実験で、対象地域の救急搬送15万1303件のうち14万7213件に同システムが使われ、利用率が97%だったと発表した。
広島県は2023年10月、救急搬送支援システムの第1期実証実験として、東広島市を除く県内全域の救急隊に「NSER mobile」を導入した。「NSER mobile」は、救急隊がスマートフォンやタブレット端末を使って、患者のバイタル(生命)サインや既往歴、服薬情報などをデジタル化して医療機関とリアルタイムで共有できる。
お薬手帳などを撮影して情報を読み取るOCR(光学式文字読み取り装置)や音声入力に対応し、現場での入力作業を支援する。医療機関は搬送前に患者情報を確認でき、受け入れ判断や治療準備に活用できる。
今回の実証データを使った研究には、広島県救急搬送支援システム実証実験ワーキンググループと広島大学の救急集中治療医学に所属する医師らが協力した。
実証データの分析対象期間は2023年10月から2024年12月まで。システムを利用した14万7213件の内訳は、通常の救急搬送が12万9855件、心肺停止モードを使った搬送が1988件、病院間転院搬送が1万5370件だった。
通常の救急搬送では、患者の年齢中央値は75歳だった。65~84歳が39%、85歳以上が26%を占めた。最初に搬送を依頼した医療機関で受け入れが決まった割合は66%で、医療機関1カ所当たりの受け入れ交渉時間の中央値は5.2分だった。
OCRは搬送事例の74%で利用された。TXPメディカルでは、文字入力の手間を減らし、現場の負担軽減につながっている可能性が示されたとしている。また、実証を通じ、「NSER mobile」が都道府県規模で標準化された病院前救急データをリアルタイムに収集する基盤として機能することも確認した。
実証データを分析した研究論文は8月26日、国際学術誌「Scandinavian Journal of Trauma, Resuscitation and Emergency Medicine」に掲載された。同社は今後も広島県の第2期実証実験を支援し、救急隊と医療機関の情報共有や救急搬送業務の効率化に取り組むとしている。