米ケアジリティー、名大病院とバーチャルナーシング実証 看護記録作業時間を半減
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バーチャルナーシング(遠隔看護)を手掛ける米ケアジリティー(ニュージャージー州)は6月11日、名古屋大学医学部附属病院(名古屋市)、国内販売代理店のメディアプラス(東京・千代田区)と、遠隔ヘルスケアソリューション「Caregility(ケアジリティー)」を活用したバーチャルナーシングの共同実証を終了したと発表した。名大病院の外科系集中治療室(SICU)で検証し、遠隔看護支援の有効性と実現可能性を確認した。
実証は遠隔地にいる看護師(バーチャルナース)1人に対し、患者2~4人を担当する体制で、ベッド固定方式のカメラを設置してソリューション「Caregility APS200 Duo」を使用して実施した。日本の医療現場でのバーチャルナーシングや遠隔医療支援の有効性を検証した。

バーチャルナースは、患者のベッドサイドにいるナースから共有された情報に基づいて、看護記録支援や教育などの看護支援を行った。看護記録支援では、バイタルサイン入力、経過表入力、SOAP(主観、客観、評価、計画)記録入力、入退室記録入力に対応した。教育支援では、支援前の声がけ、支援中のリアルタイムな安全確認、振り返りやフィードバックを行った。
記録支援の評価対象となったベッドサイドナースは11人、支援を提供したバーチャルナースは11人だった。記録業務にかかる客観的時間を測定した結果、遠隔支援なしでのベッドサイドナースの記録時間は中央値695秒で、遠隔支援ありでは中央値342秒と短縮した。3者は看護師の業務負担軽減や患者ケアに充てる時間の確保につながる可能性が示せたとしている。
実証は2026年1~2月に実施した。期間中に担当したベッドサイドナースへのアンケートでは、バーチャルナースの支援で「看護記録の記載業務にかかる時間が減少した」との回答が約80%に上った。「看護記録のために患者ケア時間を削ることが減少した」は約60%、「看護記録の記載のタイムリーさが向上した」は約50%だった。
バーチャルナースを対象とした支援実施状況のアンケートでは、全46件のうち「臨床現場での意思決定支援」が19件(41.3%)、「患者モニタリング支援」が18件(39.1%)となった。結果から遠隔支援が患者状況の把握や臨床判断の補助に活用されていることを確認できた。
また、看護実践の教育支援では、「バーチャルナースによる教育は看護実践に役立っている」「教育に満足している」「他施設にも導入する価値がある」といった肯定的な回答があり、現場スタッフの心理的安全性や支援全体への満足度向上につながる可能性がある一方、短期間の実証では臨床判断能力の明確な向上を実感するまでには至らなかったという。
今後は、看護記録支援の最適化に加え、責任の所在を含めた運用範囲の拡大、教育効果の測定方法、バーチャルナースによる支援内容の高度化に取り組み、日本の医療現場の業務フローや看護体制、診療報酬制度などに適応した遠隔看護支援モデルの構築を目指す。