富士フイルム、脳動脈瘤検出支援AIで薬事承認 「コンカレントリード型」で日本初

脳動脈瘤検出支援AIは、MRA画像から作成された3D画像に脳動脈瘤が疑われる領域をマーキングして表示する

富士フイルムは7月22日、AI(人工知能)技術を活用してMRA(磁気共鳴画像装置による血管撮影)画像から脳動脈瘤(りゅう)の検出を支援するソフトウエアを開発したと発表した。「コンカレントリード型」と呼ばれるソフトで、医師が読影と同時にソフトの解析結果を参照できる。7月6日に薬事承認を取得した。脳動脈瘤検出支援のコンカレントリード型医療機器は日本初という。

MRA画像から、脳動脈瘤が疑われる領域を検出し、橙色のボックスで囲って表示する。また、画像の右側にあるスクロールバーには、ほかのスライス画像から検出した解析結果を表示する
MRA画像から、脳動脈瘤が疑われる領域を検出し、橙色のボックスで囲って表示する。また、画像の右側にあるスクロールバーには、ほかのスライス画像から検出した解析結果を表示する

開発したのは「脳動脈瘤検出プログラム FS-AI697型」。MRA画像を解析し、脳動脈上にある長径2ミリ以上の局所的に膨らんだ領域を自動検出する。MRA画像とMRA画像から作成された3D画像に対し、病変が疑われる領域を橙色の枠で囲んで表示し、医師の読影を補助する。

「コンカレントリード型」の読影ワークフロー
「コンカレントリード型」の読影ワークフロー

ソフトウエアは、医師が患者の検査画像を読影するのと同じタイミングで、AIの解析結果を提示する「コンカレントリード型」の読影が可能。

「セカンドリード型」の読影ワークフロー
「セカンドリード型」の読影ワークフロー

医師の読影後に解析結果を確認する従来の「セカンドリード型」の読影と比べ、読影の流れの中で支援情報を参照できるため、読影業務の効率化が図れるという。

ソフトは同社のAIプラットホーム「SYNAPSE SAI viewer(シナプスサイビューワ)」と3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT(シナプスヴィンセント)」での使用を想定している。

脳動脈瘤は、脳の血管の一部がこぶ状に変形する疾患。破裂すると、くも膜下出血を引き起こす。くも膜下出血は死亡率が30%と高く、一命を取り留めても後遺症により日常生活に制約が生じることが多いとされる。このことから、脳動脈瘤を破裂前に早期発見し、適切な治療につなげることが重要になる。

富士フイルムによると、脳動脈瘤の発見には、頭部のMRI検査画像が使われ、複数の2Dスライス画像と3D画像から、複雑に分岐する脳動脈をさまざまな角度や拡大率で確認し、わずかな血管の膨らみを見つける必要がある。そのため、診断の質を維持しながら、読影業務の効率を高めることが課題になっていたという。

同社では、今回のソフトウエアを使用した場合、使用しない場合と比較して、病変を正しく陽性と判定する能力を示す感度が10%以上向上することを確認した。この結果から、読影時の見落とし防止と診断の質向上につながるとしている。