竹田綜合病院、NTTドコモビジネスとスマートリングで術後患者の回復状況把握を実証

NTTドコモビジネスは9月1日、竹田健康財団と、同財団が運営する竹田綜合病院(福島・会津若松市)で、スマートリング「SOXAI RING(ソクサイリング)」を利用し、術後患者の回復状況を把握する実証を開始したと発表した。スマートリングで術後患者約30人の運動量や睡眠状況などの生体データを継続的に取得し、術後回復過程の可視化や退院後のフォローへの活用可能性を検証する。9月1日から2027年3月31日まで実施する。

スマートリング「SOXAI RING」の使用イメージ
スマートリング「SOXAI RING」の使用イメージ

実証では、術後患者が装着したスマートリングから、歩数や活動量、睡眠、心拍数などの生体データを取得する。取得したデータはダッシュボードで一元管理し、患者の状態変化をグラフで可視化する。データを医療従事者による判断の参考情報として提供し、術後の回復状況の把握に役立てる。

実証で使用する「SOXAI RING 1.1」は、指に装着して日常生活に近い状態で生体データを継続的に取得できるウエアラブル端末。最大9日間の連続使用が可能で、頻繁な充電の負担を抑えられる。患者は専用アプリ「SOXAI App」で日々のデータを確認でき、管理者は管理用ダッシュボード「SOXAI Dashboard」で複数の患者のデータを一元管理できる。

スマートリングを活用した術後患者の経過観察実証のイメージ
スマートリングを活用した術後患者の経過観察実証のイメージ

竹田健康財団は、患者へのスマートリングの提供とデータの収集・分析を担当する。心臓血管手術が患者の運動量や回復傾向に及ぼす影響、心拍数や心拍変動、血中酸素レベル、体表面温度などの数値と術後回復過程との相関を検証する。低侵襲医療の定量評価・定義づけや、病院内でのスマートリングの運用方法にも取り組む。

一方、NTTドコモビジネスは「SOXAI RING」を提供し、病院内での活用を支援するほか、事業性を評価する。

NTTドコモビジネスと竹田健康財団によると、高齢化に伴う患者数の増加や、術後患者や慢性疾患患者の在宅期間の長期化を背景に、医療機関には患者の回復状況を継続的に把握し、データに基づいて個別に支援することが求められているという。

一方で、在宅時の見守り機器として高齢者を含む患者がウエアラブル端末を使用する場合には充電や操作の負担が継続利用の妨げになることがあると指摘する。

両者は、スマートリングが従来の端末と比べて日常的に装着しやすく、指から自然に生体データを取得できるため、患者の負担を抑えながら継続的に経過を観察する手法として、院内や退院後のフォローに活用できるとみている。

今後は実証結果を学術的に評価・発表し、ほかの医療機関への展開や、地域医療の患者支援での新たなデジタルサービス創出に役立てる考え。