亀田総合病院、arcbricksの医療データ基盤構築支援で麻酔科の術前準備時間48%短縮

亀田総合病院(千葉・鴨川市)

AI(人工知能)プラットホームを手掛けるarcbricks(アークブリックス、東京・中央区)は5月27日、亀田総合病院(千葉・鴨川市)の医療DX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクトで、マイクロソフトのクラウド型データプラットホーム「Azure Databricks(アジュール・データブリックス)」を活用したデータ基盤の設計・実装を支援したと発表した。麻酔科でのプロトタイプ検証では、術前準備時間を平均48%短縮した。

亀田総合病院は、1日60件超の手術を実施しており、麻酔科医は術前に血液検査や心電図、服薬歴、既往歴などを確認する必要がある。しかし、関連情報が電子カルテを含む複数システムに分散しており、患者1人当たりの情報収集に約1時間を費やしていた。

アークブリックスでは、この課題に対し、「データファースト」の考え方に基づき、データ基盤の設計・実装を支援した。

基盤は、電子カルテや検査システム、手術記録などのデータを「Azure Databricks」に集約するデータ統合層、LLM(大規模言語モデル)が診療記録から既往歴やアレルギー、服薬情報を抽出・整理するAI解析層、確認が必要な検査値などをアラート表示するUI(ユーザーインターフェース)層の3層で構成。構造化データと非構造化データを単一基盤で統合管理できる環境を整えた。

術前準備での実証結果
術前準備での実証結果

実証では、麻酔科医3人、患者92人を対象に、アプリ利用の有無で比較検証した。その結果、基盤導入前に1時間かかっていた術前準備時間は平均48%短縮した。亀田総合病院では、削減した時間を患者との面談や麻酔計画の検討、術前カンファレンスへの参加などに充てている。当初は術前予習用途で開発したが、現在は手術直前の最終確認にも活用範囲を広げた。成果は2026年に横浜で開かれる麻酔科学会でも発表する。

アークブリックスでは今後、今回の成果を踏まえ、亀田総合病院を運営する医療法人鉄蕉会が進める約4000人規模の全職員へのAI活用拡大支援にも取り組む。