東日本メディコム、AIカルテに患者ID自動認識機能追加 診察音声と患者情報を自動紐付け

医療システム開発の東日本メディコム(さいたま市)は8月19日、カルテAI(人工知能)アシスタント「MC-Drive for Clinic(エムシードライブ・フォー・クリニック)」で、電子カルテの患者IDを自動認識して録音データに付与する新機能の提供を7月1日から開始したと発表した。診察音声と患者情報を自動で紐(ひも)付け、カルテ作成や診療記録の確認作業を効率化する。

新機能は、医師が診察室で録音を開始すると、電子カルテ画面上の患者IDを「MC-Drive」が自動認識して録音データに付与する。その後、診察音声をテキスト化し、SOAP(主観、客観、評価、計画)形式に自動整理する。作成した内容は電子カルテの所見欄に貼り付けられる。患者IDと録音データが自動で紐付くため、録音内容を後から確認する際に患者情報との照合作業を減らせる。

患者ID自動認識機能のイメージ
患者ID自動認識機能のイメージ

東日本メディコムによると、医療現場から診療記録の共有や引き継ぎに手間がかかるとの声があり、記録業務の効率化と記録の確実性を高めるために開発したという。

「MC-Drive for Clinic」は、医師と患者の診察時の会話を録音し、AIがテキスト化・要約してSOAP形式のカルテ原稿を作成するサービス。医療向け音声認識「AmiVoice(アミボイス)」と高指向性小型マイク「FR-1200」を組み合わせ、医師と患者の発話を分離して認識することで、AIによる誤生成の低減を図った。

ウィーメックスの電子カルテ「Medicom-HRf」と「Medicom クラウドカルテ」に対応する。月額利用料は1台目が税別4万円で、2台目以降は1台につき同1万円。利用回数に上限はない。録音データは最大60日間保存する。

医療データは国内のサーバー環境で処理し、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」に対応するほか、経済産業省と総務省の「AI事業者ガイドライン第1.1版」に準拠する。クラウドセキュリティーの国際認証「ISO/IEC 27017」も取得している。

厚生労働省によると、勤務医が診療記録や書類作成に費やす時間は依然として多く、タスク・シフトや医療DX(デジタルトランスフォーメーション)による負担軽減が求められているという。こうした中、東日本メディコムにも、現場から「記録に時間を取られ患者と向き合う時間が減る」といった声が寄せられていたことから、カルテ作成工程をシームレス化する機能を開発したという。