日立、九大病院と血液がんの鑑別診断支援AI開発 複数の候補疾患を確率付きで提示
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日立製作所は6月11日、九州大学病院(福岡市)と、血液がんを診断するための検査「フローサイトメトリー(FCM)検査」で、医師の鑑別診断を支援する機械学習型のAI(人工知能)技術を開発したと発表した。FCM検査データを解析し、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫など複数の候補疾患を確率付きで提示する。
血液がんは、病型によって治療法が大きく異なるため、候補疾患を適切に絞り込むことが治療選択につながるとされる。その診断に使われるFCM検査は細胞の特徴を示すマーカーを測定し、診断に役立てる検査だが、データの解釈には高度な専門性と経験が求められる。症例数の増加に伴い、解析作業の負担も増えているという。

開発したのは、FCM検査データから血液がんの候補疾患を分類し、複数の候補を確率付きで提示することで鑑別診断を支援する機械学習型のAI技術。
FCM検査で得られるマーカー陽性率(特定の特徴を持つ細胞の割合)を特徴量として使用し、診断に必要とするものだけを抽出・選別する処理後の医師が解釈するプロセスに沿う形でAIモデルを構築した。そのため、医師は普段使用する指標に基づいて結果を確認できるという。
また、AIが単一の疾患名を提示するのではなく、複数の候補疾患を確率付きで示すことで、医師が鑑別を行う際の判断材料を提供できるようにした。現時点で16クラスを提示する。候補疾患を絞り込む際に、医師が事前に持つ仮説との整合を確認したり、仮説にない候補に気づけたりするなどの診断思考に沿った支援に役立つとしている。
日立は今回、白血病に対応するモデルと、リンパ腫・多発性骨髄腫に対応するモデルの2種類のAIを構築した。九州大病院の臨床データ500例以上で、AIモデルの学習・評価を実施した結果、複数疾患の同時分類で、評価指標のAUCで0.9以上の性能を確認した。AUCは1に近いほど、疾患クラスを正しく識別できていることを示すという。
今後は、医療機関や検査会社との共同検証を通じて評価規模を拡大する。また、診療フローで円滑に活用できるよう改良を進め、診断支援技術としての実装を目指す。