フィリップス、AI搭載マルチエナジースペクトラルCT「Verida」発売 検査効率向上と被ばく低減

AI搭載のマルチエナジースペクトラルCT「Verida(ヴェリーダ)」

フィリップス・ジャパン(東京・港区)は4月10日、AI(人工知能)と、ディテクターベース・スペクトラル技術を搭載したCT(コンピューター断層撮影装置)「Verida(ヴェリーダ)」を4月17日に発売すると発表した。撮影から画像再構成までの工程にAIを統合したディテクターベース・マルチエナジースペクトラルCTで、通常画像とスペクトラル情報を1回の撮影で同時に取得できる。

「ディテクターベース・スペクトラルCT」はX線検出器(ディテクター)の段階で透過したX線を複数のエネルギー帯域に分けて検出し、物質の組成情報を詳細に画像化する技術。「Verida」は、この技術とAIを統合した。

撮影、検出、画像再構成と一連のCT画像取得の工程にAIを活用することで、システムノイズを低減し、高精細で安定した画質を得られる。また、通常のCT検査と同一ワークフローで、1回の撮影から高品質な通常画像とスペクトラル情報を同時に取得できる。検査条件の追加設定や撮り直しが不要で、診断に有用な情報をすばやく確実に提供可能という。

画像再構成は、最大毎秒145枚の高速処理に対応し、検査終了後30秒以内に検査全体の画像を自動表示する。そのため、検査後の待機時間を短縮し、放射線科の検査スループット向上や患者の待ち時間短縮につながるという。

加えて、マルチパスAI独自方式を採用した画像再構成技術によって、画質を維持しながら被ばく線量の低減も図った。不要な再撮影の抑制に加え、システムを効率化しエネルギー消費抑制や環境負荷の低減、運用コスト削減が見込める。

フィリップスでは、少子高齢化に伴う医療需要の増加に加え、放射線診療領域での検査件数の増加や人材不足を背景に、限られた人員で高品質な検査を効率的に行うニーズが高まっているとみる。「Verida」は、従来のCT検査と同じワークフローで運用でき、再撮影の低減や読影準備の効率化を通じて、医療従事者の業務負担軽減とワークフロー改善につながるとしている。