千葉大、MRI画像から大腸がん「予後不良タイプ」見抜く術前診断AI開発

千葉大学(千葉市)は6月17日、MRI(磁気共鳴画像装置)の画像から、特に治りにくく再発しやすい「たちの悪い大腸がん」を、AI(人工知能)を使って手術前に見抜く方法を開発したと発表した。

研究概要
研究概要

今回の研究で千葉大学は、マルチパラメトリックMRIラジオミクスモデル「MRC4s」を構築。3病院の大腸がん患者253人のデータを使用し実証を行ったところ、高い精度でCMS4リスクが高い患者群を見分けられることを確認した。

内部検証ではAUC0.85、外部検証ではAUC0.84だった。また、CMS4リスクが高いと判断された患者群は、再発・転移リスクが低リスク群の約6倍に上ることも確認した。

千葉大学によると、大腸がんは患者ごとに腫瘍の性質や治療への反応が大きく異なり、中でもコンセンサス分子サブタイプ4(CMS4)と呼ばれるタイプの大腸がんは、化学療法・免疫療法に抵抗性を示し、予後が最も悪い上に術前予測は困難という。

判定には高コストな免疫染色や遺伝子発現解析が必要で、これまでは手術で採取した組織による検査が必要だった。そこで同大学では、術前に広く撮影されるMRI画像からCMS4を予測する手法の開発に取り組んだ。

今後は、モデルを直腸がんなどの標準治療の一つである術前化学放射線療法の効果予測や、CMS4を標的とした新規治療戦略の患者選別ツールとして発展させるとともに、多施設共同研究による臨床実装に向けた検証を進める。