アルム、青森・むつ総合病院が妊産婦管理などの高度専門医療の遠隔診療で医療者間コミュアプリ導入

ディー・エヌ・エーの子会社で医療ICT事業を手掛けるアルム(東京・渋谷区)は1月23日、下北医療センターが運営する公立病院「むつ総合病院」(青森・むつ市)が、医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join(ジョイン)」を導入し、弘前大学医学部附属病院(青森・弘前市)との遠隔診療を開始したと発表した。

むつ総合病院では、「遠隔妊産婦管理」「遠隔脳神経外科手術指導「遠隔ICUの重症患者管理」の遠隔診療で「Join」を導入した。

「Join」を使ったむつ総合病院と弘前大学医学部附属病院との遠隔診療の概要
「Join」を使ったむつ総合病院と弘前大学医学部附属病院との遠隔診療の概要

「遠隔妊産婦管理」では、同院が周産期専門医が不在の中、「Join」で弘前大学とつなぐことで専門医にリアルタイムでエコー画像を共有と診断を可能にした。妊婦はむつ市にいながら周産期専門医の診察を受けることができる。また、必要な時だけ高次医療機関に診察へ行けば済むため、通院負担を大幅な軽減が図れるという。

「遠隔脳神経外科手術指導」は、病院の脳神経外科医が1名のみだが、「Join」のオプションで高いセキュリティーを確保し院内映像をライブ配信可能な機能「LiveView(ライブビュー)」を使って弘前大学に手術中の顕微鏡映像をリアルタイムでつなげるようにした。そのため、むつ総合病院では弘前大学からの助言を受けながら遠隔手術が可能になった。

「遠隔ICUの重症患者管理」では、病院に集中治療専門医が不在の中、横浜市立大学発ベンチャーのクロスシンク(横浜市)の「生体看視アプリケーションiBSEN DX(イプセン ディーエックス)」と、「Join」「LiveView」を組み合わせて、弘前大学とつなぐことで休日や夜間の患者急変時にも専門医の助言、ICU看護師による処置を可能にした

アルムによると、「遠隔妊産婦管理」「遠隔脳神経外科手術指導」「遠隔ICU」で「Join」と「LiveView」を使った複数診療科の医療機関同士での遠隔診療は東北で初という。