富士フイルム、永久磁石オープンMRI新モデル2機種発売 AIで高画質化・ワークフロー効率化

永久磁石オープンMRIシステム「APERTO Lucent ff」(左)と「AIRIS Vento ff」

富士フイルムは7月21日、永久磁石オープンMRI(磁気共鳴画像装置)システムの新モデル「APERTO Lucent ff(アペルトルーセントダブルエフ)」と「AIRIS Vento ff(エアリスベントダブルエフ)」を発売したと発表した。富士フイルムメディカル(東京・港区)を通じて販売する。

「APERTO Lucent ff」は0.4テスラ、「AIRIS Vento ff」は0.3テスラの永久磁石を採用し、低磁場でも高画質な画像の取得が可能。AI(人工知能)技術を活用して開発した画像再構成技術や検査ワークフローを効率化する機能を搭載する。

永久磁石オープンMRIは、広い開口部を持つ開放構造によって、検査時の圧迫感を軽減できる。一般的な超電導MRIと異なり、液体ヘリウムを使わないため、ヘリウム排気管などの設備が不要で、設置もしやすい。

一方で、オープンMRIは磁場強度が低いため、高画質な画像撮像と短時間撮像の両立が課題となっていた。また、MRI検査は撮像条件の設定や撮像後の画像処理など複数の工程を伴うため、検査時間が長くなりやすく、検査ワークフローの効率化も求められていた。

画像再構成技術の適用前(左)と適用後の画像
画像再構成技術の適用前(左)と適用後の画像

新モデルでは、ディープラーニング(深層学習)を利用した画像再構成技術を搭載し、撮像時に得た信号からノイズを識別・低減し、信号を補完して輪郭や細部を強調することで、画質を向上させた。富士フイルムによると、画像再構成技術で、現行機と比較して頭部検査で32%、膝検査で40%の撮像時間短縮が可能という。

3D撮像した頭部画像
3D撮像した頭部画像

3D撮像にも対応する。画像再構成技術に加え、画像作成に必要なデータを効率よく取得する「Circular計測機能」を組み合わせることで、より短時間で高画質な3D撮像を可能にした。

MRI検査ワークフローの効率化イメージ
MRI検査ワークフローの効率化イメージ

検査ワークフローの効率化機能では、AIを活用したスライスライン設定サポート機能「AutoPose(オートポーズ)」で、取得する断面画像の位置・角度を自動設定する。3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」の臓器認識技術を活用し、頭部、脊椎、四肢関節、股関節、骨盤など主要部位の撮像時にスライスラインを自動設定する。

撮像後の画像処理機能も強化した。頭部MRA(磁気共鳴画像装置による血管撮影)で血管を見やすくする自動クリッピング処理「AutoClip(オートクリップ)」や、3D画像から必要な断面を自動作成する「AutoMPR(オートエムピーアール)」などを備えることで、画像処理スピードを高めた。

2モデルともにAI活用の機能によって、MRI検査に必要な位置決めから画像処理、画像表示、画像保存までの一連の操作を1クリックで実施できる。同社では検査時間の短縮と、被検者や医療従事者の負担軽減につながるとしている。