千葉大病院、NTTドコモビジネスと炎症性腸疾患向け「秘匿型ePRO」の有効性確認

NTTドコモビジネスは6月15日、千葉大学医学部附属病院(千葉市)と共同で開発した潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)の患者を対象とした「秘匿型電子患者報告アウトカム(ePRO)システム」の有効性を確認したと発表した。

「ePRO」は、患者がPCやスマートフォンなどで症状・生活状況・治療満足度などの患者報告アウトカム(PRO)を直接入力・報告する電子システム。これまでの方法では「回答が他者に見られる」という不安や医師への遠慮から、治療やQOL(生活の質)向上に必要な情報が収集されない可能性があったという。

従来のPRO方式と今回の研究で開発した「秘匿型ePRO」との違い
従来のPRO方式と今回の研究で開発した「秘匿型ePRO」との違い

千葉大病院とNTTドコモビジネスは、今回の研究で「秘密計算」と呼ばれるデータを暗号化したまま統計解析を行う技術と「ePRO」を組み合わせることで、プライバシーを守りつつ、これまで診療に活用できなかった患者実態の収集をめざして研究を進めた。2022年12月から2024年3月に千葉県内15施設のIBD患者322人を対象に行った観察研究では、その有効性が確認できたという。

具体的には、患者の6割が「答えやすかった」と回答し、秘匿だからこその答えやすさが示唆された。一方で、便意切迫感を「医師に伝えるべき症状」と認識しながら、実際に伝えていたのは7割弱にとどまった。服薬状況でも約3割の患者で、自己申告と実際の服薬状況に乖離が認められた。両者は、この仕組みがIBD以外の慢性疾患にも応用可能とみている。