SIGQ、ネット接続不要のシステム障害対応AI提供 患者情報を院外に送らずに処理

システム障害の対応支援サービスを手掛けるSIGQ(シグキュー、茨城・つくば市)は10月16日、AI(人工知能)を活用したシステム障害やサイバー攻撃対応の支援ソフトウエア「Incident Lake Self-Hosted(インシデント・レイク・セルフ・ホステッド)」の提供を開始したと発表した。インターネットと切り離した閉域ネットワーク内でAIがシステム障害対応を支援する。医療機関など機密情報を外部に送信しにくい組織での利用を見込む。

「Incident Lake Self-Hosted」は、同社のインシデント対応支援サービス「Incident Lake(インシデント・レイク)」のパッケージ版。独自開発のAIモデル「Otter(オッター)」を同じ環境内で動かし、外部の大規模言語モデル(LLM)にデータを送らずに処理する。導入先のクラウド環境やデータセンター、オンプレミス(自社設置型)で運用できる。

「Otter」は、システム障害やセキュリティー上の問題への対応、影響範囲の推定、発生後の経緯を時系列で整理する処理などに特化して学習を行った。組織ごとの対応情報を追加学習し、ほかの組織とは分離した専用モデルとして利用することもできる。

ログ管理やシステム監視ツールの「ClickStack(クリックスタック)」「Grafana(グラファナ)」、セキュリティー情報・イベント管理(SIEM)プラットホーム「Wazuh(ワズー)」と組み合わせて運用できる。統合システム監視ソフトウエア「Zabbix(ザビックス)」などとも連携し、検知から事後対応までを閉域内で進められる。

対応の最終判断は人が行う。AIによる連携先ツールへのアクセスは読み取り専用にし、システムを自動で変更しない設計にした。AIの支援は必要に応じて停止もできる。

医療分野では、患者情報を扱うシステムの障害対応での利用を想定する。障害の記録や対応時の会話、調査結果を院内環境に保持したまま、AIを利用できる。監視ツールなどと組み合わせることで、異常の検知から初動、調査、復旧、報告書の作成や事後の振り返りまでカバーできる。

ソフトウエアは実行環境をまとめた「Dockerコンテナ」で提供する。必要な計算資源や構成は導入先の環境・規模に応じて提案し、価格は個別に見積もる。シグキューの直販と販売パートナー企業経由で導入できる。