大阪国際がんセンター、「ダビンチSP」で初の中咽頭がん手術 口から腫瘍を切除
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「ダビンチSP」による頭頸部がん手術イメージ(シミュレーション)
大阪国際がんセンター(大阪市)は8月21日、6月に導入した米インテュイティブサージカルの手術支援ロボット「ダビンチSP」で、初の中咽頭(ちゅういんとう)がん(のどのがん)のロボット手術を実施したと発表した。口の中からがんを切除することで首の皮膚を切開せず、患者の身体的負担を抑えたという。
大阪国際がんセンターによると、のど(咽頭・喉頭)にできたがんは、首の皮膚を切開して切除する手術では、術後の痛みや目立つ傷が残るほか、食べ物を飲み込む機能や発声に支障をきたす場合があるという。同センターでは、内視鏡を口から入れてがんを切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にも取り組んできたが、がんの大きさや深さ、場所によって適応が限られていたとしている。

同センターの頭頸(とうけい)部外科(耳鼻咽喉科)は、こうした課題に対応するため、2024年に手術支援ロボット「ダビンチXi」を使い、口の中からがんを切除する手術を開始した。2025年度は14件を実施した。しかし、「ダビンチXi」は4本のアームを使うため、口の中でアーム同士がぶつかり、手術操作が円滑に行えない場合があったという。
「ダビンチSP」は、1本のアームを1つの穴から挿入し、奥で4本に分けて操作する。そのため、狭い場所や深い場所にも到達しやすく、従来機ではアプローチが難しかったがんの切除にも対応できる。同センターではこうした機能面を評価し導入した。非常に狭い場所にも入っていき、手術もしやすく、患者の傷は1カ所で済み、痛みが少なく、ほとんど目立たないという。
是松瑞樹・頭頸部外科(耳鼻咽喉科)診療主任は「『ダビンチSP』の導入で、これまでアプローチが難しかった患者にも口からの切除術ができるようになった。術後も『食べる』『話す』機能を維持し、早期に社会復帰できるようにしたい」と話している。
今後は、「ダビンチSP」による頭頸部がん手術を年間50件の実施を目指す。施設全体では、年間1000件規模のロボット手術を実施する方針。