シーメンス・ヘルシニアーズ、エヌビディアと放射線治療AIで協業 治療計画作成を支援
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独シーメンス・ヘルシニアーズは10月21日(現地時間)、米エヌビディアと、放射線治療へのAI(人工知能)活用で協業すると発表した。「AIエージェントによる治療計画の作成支援」「患者ごとのシミュレーション」「照射中のデータ処理」の3分野で技術開発に取り組む。患者に合わせた治療の実施と、医療者の業務負担軽減を目指す。
協業は腫瘍や周辺臓器の位置・形状などの変化に応じて治療計画を見直す「適応放射線治療」が対象。シーメンス・ヘルシニアーズの画像診断・がん治療の知見と、エヌビディアが持つAIや高速計算、シミュレーション技術を組み合わせ、計画作成から治療の実施までを支援する。
「AIエージェントを活用した治療計画作成支援」では、エヌビディアの推論モデル「Nemotron(ネモトロン)」と、高速な線量計算技術を活用する。
医師が治療の目標を伝えると、AIエージェントが計画案を評価し、比較検討を支援する仕組みを開発する。最終的な確認と承認は医療従事者が行う。医師の計算や計画案の検討にかかる手間の削減につなげる。
「患者ごとのシミュレーション」では、患者の身体状態を仮想空間に再現する「デジタルツイン」の活用も検討する。
エヌビディアのシミュレーション基盤「Omniverse(オムニバース)」などを使用し、治療前に腫瘍や周辺の正常組織に届く放射線量を検証する。治療中に取得した画像でシミュレーションモデルを更新し、身体の変化を反映することで、治療計画の見直しが必要かどうかの判断を支援する。
「照射中のデータ処理」には、ストリーミングデータ処理やAI推論に対応するエヌビディアの基盤「Holoscan(ホロスキャン)」などを活用する。
画像やセンサー、治療データをリアルタイムに処理し、患者の微細な動きや体内の変化が治療に与える影響を把握する技術を検討する。医療者が状況の変化に応じて判断できるようにする。
シーメンス・ヘルシニアーズによると、適応放射線治療では、多くのデータを扱う必要があり、計画の作成や評価にも専門職の時間と知識が求められるという。また、人手不足や医療機関の財政的な制約があるとしている。
こうした課題に対し、同社はAIによる業務の効率化を通じて、より多くの患者が個別化した放射線治療を受けられる環境づくりにつなげる。