リコージャパン、新潟大・ボイットと災害・救急医療DXで連携 電子トリアージで情報共有加速

(左から)宮本裕嗣・リコージャパン取締役常務執行役員、佐藤昇・新潟大学医学部長、永冨泰高・ボイット代表取締役社長CEO

リコージャパン(東京・港区)は9月25日、新潟大学医学部、AI(人工知能)搭載インカムなどを開発するボイット(東京・渋谷区)と、災害・救急医療分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や人材育成、先端技術の研究・開発、社会実装で連携協定を締結したと発表した。映像・音声・通信・AI技術を活用し、災害現場から救急搬送中、医療機関までの情報共有の高度化に取り組む。

今回の連携では、新潟大医学部が持つ災害・救急医療の知見と、リコージャパンの映像・通信技術、ボイットの音声コミュニケーション技術を組み合わせる。災害現場と本部・病院間の情報伝達やトリアージ情報の管理を、映像・音声・通信・AI技術で高度化し、医療従事者間の円滑なコミュニケーションにつなげる。平時の教育・訓練から災害発生時まで一貫した情報共有環境の構築を進める。

具体的には、映像・音声・通信・AI技術を使った災害・救急医療DXの研究・開発や、災害現場でのリアルタイム情報共有技術の検証、救急搬送時の映像・音声データ活用の実証に取り組む。音声AIを使った電子トリアージと医療情報共有手法の高度化、先端技術の社会実装、教育・訓練を通じた医療DX人材の育成も進める。

リコージャパンは、これまで全国の災害医療分野で培った映像・通信技術の知見を生かす。ボイットは、新潟大医学部災害医療教育センターの知見や助言を基に、トリアージ情報共有支援システム「VOYT TRIAGE(ボイット・トリアージ)」の開発・検証を進める。

システムは、従来の紙のトリアージタグに貼り付けたQRコードで傷病者を識別し、音声入力したトリアージ結果や傷病者情報をデジタルで記録することで、病院やSCU(広域搬送拠点臨時医療施設)などとの迅速な情報共有につなげる。

また、AI搭載インカム「VOYT CONNECT(ボイットコネクト)」を活用して、スマートフォンやPCを使った医療従事者間のハンズフリー通話やグループコミュニケーションを支援する。会話をAIで自動的に文字起こししてログとして保存し、聞き逃しの防止や情報の振り返り、申し送りを効率化する。

3者は将来的に、災害現場や救急搬送中、病院内などで発生する映像、音声、データを一元的に収集・共有し、リアルタイムで状況を把握するとともに、事後分析できる環境の構築を目指す。

取り組みとしては、360度映像による現場状況のリアルタイム共有や、音声によるトリアージ内容の記録、救急隊と病院間の情報共有の効率化、災害医療訓練や実災害で得たデータの分析・活用などを想定している。