Albatrus、病院向け生成AI基盤「Apollo AI」提供開始 院内データとAIエージェント活用
掲載日:
病院向けAI事業を手掛けるAlbatrus(三重県津市)は9月10日、電子カルテなどの院内データとAI(人工知能)エージェントを活用する病院向け生成AIプラットホーム「Apollo AI(アポロエーアイ)」の正式提供を開始したと発表した。文書作成や情報検索、音声、OCR(光学式文字読み取り装置)、業務自動化などの機能で、病院全体の業務効率化や経営改善を支援する。
「Apollo AI」は、同社が2024年から提供してきた病院向け生成AI「メディラクAI」のアップデート版。電子カルテをはじめとする院内データとAIエージェントを連携させ、病院内のさまざまな業務でAIを活用できる基盤を提供する。
基本機能として、文書作成、情報検索、音声、OCR、業務自動化、文書管理支援など15機能を搭載。オプションを含めると20機能を提供する。
AIエージェントは、作業の手順そのものを組み立て、一括作成まで行う。これまで医療従事者が手作業で進めていた業務を自動化する。医師や看護師、コメディカル、事務職などで300以上のユースケースに対応した。
先行導入した永井病院(三重県、199床)の実証実験では、患者1人当たりの退院サマリー作成時間を30分から2分に短縮した。IC(インフォームド・コンセント)記録の音声文字起こしも15分から3分に短縮した。同院では200以上のユースケースが生まれた。
セキュリティー面では、入力データをAIの学習に利用せず、データの暗号化や匿名化に対応する。国内クラウドや閉域網VPN(仮想私設網)、WAF(ウェブ・アプリケーション・ファイアウォール)を利用するほか、多要素認証やIPアドレス制限による認証基盤も整備した。厚生労働省、総務省、経済産業省が定める医療情報の安全管理の指針「3省2ガイドライン」に準拠する。
同社によると、400床規模の病院を想定した試算では、労働時間の削減による年間2400万円の効果と、年間1920万円の収益向上が見込めるという。現在、国立大学病院を含む10以上の病院で導入、構築が進んでいる。また、全国5病院の開発パートナーと連携し、医療現場の意見を反映した新機能の開発も進めている。