つがる総合病院、NTTドコモビジネスの通信基盤導入 院外から電子カルテ閲覧可能に

NTTドコモビジネス(東京・千代田区)は8月4日、つがる総合病院(青森・五所川原市)の院内モバイル基盤を構築したと発表した。同院がスマートフォンやタブレット端末を導入し、オンコール対応の医師が院外から安全に電子カルテを閲覧できる院内モバイル環境を整備した。同院では環境整備を契機に夜間・休日の救急医療で意思決定の迅速化を図る。

つがる総合病院は、つがる西北五広域連合が設置・運営する438床の中核病院で、西北五地域保健医療圏の高度急性期医療を担う。青森県五所川原市に位置する。2014年4月に開院し、消化器・循環器・脳神経外科・精神科・救急医療などの診療機能を提供している。救急医療では当直医師2人に加え、各診療科が夜間や休日に対応するオンコール体制を敷いている。

同院では今回、スマートフォンとタブレット端末の導入に加え、安全で効率的に運用するための通信環境と管理基盤を整備した。院内モバイル環境の構築では公募型プロポーザルを実施。NTTドコモビジネスの提案内容や実績を評価し採用した。

新たな通信環境では、オンコール対応の医師が院外にいる場合でも、電子カルテで患者情報をリアルタイムに確認し、当直医や院内の医療スタッフに指示を出せるようにした。これにより重症患者への初期対応や専門医による判断を迅速化し、夜間・休日の救急対応力を高める。

また、院内でチャットツールを使ったコミュニケーションや携帯電話事業者の回線を利用した音声通話、電子カルテ情報の共有が可能になった。医師、看護師、薬剤師や診療放射線技師などの医療スタッフ間で情報を迅速に共有し、高度急性期医療の現場における時間的なロスの抑制につなげる。

同院ではモバイル端末からの電子カルテへのアクセスと院内連絡のデジタル化を図ることで医療従事者の情報共有にかかる時間を短縮し、業務負担を軽減するとともに、患者への対応や専門業務に集中できる環境を整える。

セキュリティー面では、多要素認証とMDM(モバイルデバイス管理)を採用した。通信経路の暗号化やアクセスログの記録も行い、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠した医療情報の運用基盤を整えた。

今後は、今回整備した院内モバイル環境を基盤に、NTTドコモビジネスとの連携を強化する考え。オンライン診療体制の構築や、慢性期医療、みとりに対応する遠隔支援も段階的に整備し、西北五地域の医療を支えるデジタル基盤の構築を進めるとしている。