病院の診療予約システム利用率21%、導入件数は4435件の増加、ミーカンパニー調査
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ミーカンパニー(東京・港区)は1月27日、約3万の医療機関を対象にした「診療予約システム」「オンライン診療システム」「ウェブ問診システム」の導入率や利用メーカーの調査レポートを発表した。
レポートによると、地域別の導入件数は「東京、大阪、神奈川」が多い一方、北海道に強いドクターキューブ、群馬県は東邦薬品、愛知県はエヌオーシー、静岡県はアイアコスなど、導入割合は、地域に差がみられた。診療科では、特定の診療科に強いメーカーと、総合型のメーカーがあり、婦人科はオフショアの会社が存在感を示し、小児科、眼科などで強みを発揮するメーカーもあることが分かった。
開業年数をみると10年以内の診療所に評価され、件数を伸ばす新興メーカーがあるのに対し、老舗メーカーは開業20年以上の診療所に評価される傾向があった。
在宅医療対応では、外来患者向けシステムが多い中、一部メーカーでは在宅診療を展開する医療機関に評価されている。経営形態による特徴は、法人グループ向けに展開するメーカーと、個人開業医向けが中心のメーカーですみ分けが見られた。
システム個別では、「診療予約システム」は、全国の診療所の内、21.9%が導入。昨年よりも4435件の増加となった。開設10年以内、院長年齢が45歳以下などの病院で導入する傾向があり、在宅診療、開設21年以上、院長年齢が65歳以上、院内処方などの病院では導入傾向がなかった。
地域別では、東京都、大阪府、神奈川県で導入件数が多く、愛知県、東京都、神奈川県で導入割合が高かった。診療科は、内科、小児科、皮膚科で導入件数が多く、産婦人科、耳鼻咽喉科、小児科は導入割合が高かった。
「オンライン診療システム」は、全国の診療所の5.8%が導入する。開設10年以内、予約システム導入の病院などで導入傾向があり、眼科、個人医院、開設21年以上、院長年齢65歳以上などの医療機関では導入が傾向なかった。
地域は、東京都、神奈川県、大阪府が導入件数が多く、東京都、神奈川県、千葉県で導入割合が高かった。診療科では、内科、小児科、皮膚科が導入件数が多く、産婦人科、皮膚科、精神科は導入割合が高い結果だった。
「ウェブ問診システム」は、全国の診療所で5.2%が導入。開設10年以内、院長年齢50歳未満などの病院で導入する傾向がある一方、院内処方、看護師2名未満、開設11年以上、院長年齢60歳以上などの病院では導入傾向がなかった。
地域は、東京都、神奈川県、大阪府が導入件数が多かった。愛知県、東京都、神奈川県は導入割合が高いことが分かった。診療科は、内科、小児科、皮膚科で導入件数が多く、産婦人科、耳鼻咽喉科、小児科は導入割合が高かった。
調査は、2024年10月に実施し、全国の保健医療機関で、公式ホームページ(HP)を保有する6万6590施設を対象に、HP上のリンク情報から診療支援ICT(情報通信技術)システム名を確認し行った。また、オンライン診療システムはメーカーのサイトが公表する情報を確かめた。メーカーは、予約システムが65社、オンライン診療は25社、ウェブ問診は21社を対象にした。