エス・エム・エス、医療機関などに聞く看護師の働き方調査 約4割が医療DX加算を届け出
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エス・エム・エスは医療機関・介護施設を対象にした看護師の働き方調査を発表した
エス・エム・エス(東京・港区)は5月28日、医療機関・介護施設を対象にした看護師の採用と定着などの調査「看護師の働き方に関する意識調査」の結果を発表した。医療DX(デジタルトランスフォーメーション)では、医療DX推進体制整備加算を届け出ている事業者が38.5%にとどまる一方、看護職の業務負担や事務作業負担の軽減に向け、議事録要約や看護記録の自動生成などのDXツールへの導入意向が高いことが分かった。

未導入のDXツールで、今後導入したいものは、「委員会や打ち合わせの議事録要約」が33.4%で最多だった。「AI(人工知能)による看護記録の自動生成・文章要約」(32.4%)、「看護記録の音声入力」(29.3%)が次いだ。会議や記録業務など、看護師のケア業務以外の事務作業を減らすツールへの関心が高かった。

「医療DX推進体制整備加算」の届け出状況では、「届け出を行っている」が38.5%だった。2026年度診療報酬改定では、「医療DX推進体制整備加算」が廃止・改組され、医療DXやICT(情報通信技術)連携を活用する医療機関・薬局の体制を評価する「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設される。医療機関では、診療情報の電子的な連携やオンライン資格確認への対応など、医療DXに向けた体制整備が課題になりそうだ。
自由回答では、DXの推進によって業務プロセスの見直しや標準化が進み、ミスの削減や業務効率の向上、残業時間の削減につながったとの声があった。看護サマリへのAI導入や、看護業務の事務作業を医事課にタスクシフトした事例も寄せられた。
一方、看護師の不足感は依然として強い。看護師の過不足状況について、77.3%の事業者が「大幅に不足している」または「やや不足している」と回答した。前年の78.4%からほぼ横ばいで、特に病院や介護施設の不足感が大きかった。また、6割以上の事業者が60代以上の看護師を活用していると答えた。

2026年6月施行の診療報酬改定を前に、基本給や手当などの賃上げを実施予定と回答した事業者は63.3%だった。ただ、基本給を含む賃上げを予定している事業者は33.3%にとどまった。賃上げ率は「1%以上~1.5%未満」が15.4%で最も多く、「1%未満」が10.6%で続いた。
過去1年に職場で見聞きしたハラスメントでは「ペイシェントハラスメント」が39.9%で最も多く、職場の大きな課題となっていることが分かった。
働き方改革や定着促進に向けた取り組みは、約5割の事業者が未実施だった。最も効果があった取り組みは「残業時間の削減」で、月の平均残業時間は「1時間以上~5時間未満」が最多となった。看護助手・介護助手は約5割が配置できていると回答しており、看護師の周辺業務を他職種に移すタスクシフトも進みつつある。

伊丹晃仁・医療キャリア事業本部組織・人事支援グループグループ長は、調査結果の説明会で「医療機関は看護師の人材確保と定着に向けて、処遇改善、働き方改革、医療DXを組み合わせた取り組みが今後、ますます求められてくる」との見方を示した。
調査は、全国の病院、クリニック、訪問看護ステーション、介護施設など看護師の勤務先の管理者、人事担当などを対象に3月2~31日にウェブアンケートで実施。577人が回答した。事業者向け調査は2025年に続き2回目。