Qsol、熊本大と、医師の働き方改革支援で生成AIの医療業務補助を共同研究

九州電力のITソリューション子会社のQsol(キューソル、福岡市)は9月30日、熊本大学と、医師の働き方改革の支援を目的に生成AI(人工知能)活用の共同研究を開始したと発表した。

生成AIで補助する医師業務の例
生成AIで補助する医師業務の例

研究では、生成AIの「RAG(検索拡張生成)」や「マルチエージェント」といった技術を使用し、医療ガイドラインや電子カルテの情報を基に、診療計画の立案や指示内容の入力、医療文書作成などの医療業務を補助する活用について検証する。

マルチエージェントのイメージ図
マルチエージェントのイメージ図

「RAG」は、生成AIに専門的な情報を与え、業務的な質問に対し専門的な回答を行う技術、「マルチエージェント」は、複数の「自律エージェント」が相互連携し、複雑な課題を解決する技術。「自律エージェント」は、課題を解決するために、AIが自律的にタスクを計画し、判断・行動をする技術になる。

研究で活用する電子カルテの情報は、生成AIの学習データには使用しないが、入力時に必要なため、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に基づく倫理審査委員会の承認を得た上で、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」などの関連規則を順守して利用する。

検証は2025年3月まで実施する。2者は研究を通じて、医師の業務負担軽減につながる、AIを活用した効率的な診療環境を整備することで、医師の働き方改革を支援するとしている。