日立ハイテク、久留米大学病と無人店舗を活用した職場環境改善サービスの実証実験

無人店舗「CO-URIBA」の顔認証を使って手ぶらで買い物をする看護師

日立ハイテクは1月9日、久留米大学病院と、医療従事者の働き方改革と災害拠点病院の機能強化で、職場環境改善サービスの実証実験を開始したと発表した。院内に、無人店舗「CO-URIBA(コウリバ)」(日立製作所製)を設置し、日用品を販売する。同時にローリングストック型の備蓄が可能かも検証する。

実証は、昼夜を問わず勤務する医療従事者の職場環境改善と防災備蓄を目的に実施する。具体的には、「CO-URIBA」に、普段使いできる食料品、衣服、生活雑貨を防災備蓄品として病院内に保管し、医療従事者の勤務エリア内で販売する仕組みを構築。限られた休憩時間を有効に活用したい医療従事者をサポートする。

商品の購入は「CO-URIBA」の顔認証技術を活用し、手ぶらで買い物を可能にすることで、勤務中に携帯電話や財布を持たない医療従事者が、スムーズに商品を買えるようにした。商品は、レトルト食品を中心に、手軽でおいしい食事や、おやつを用意。勤務中だけではなく、帰宅後の家事負担の軽減にもつなげる。

一方、ローリングストック型の備蓄では、商品を防災備蓄品として購入し、日常生活で消費していく仕組みを採用。大量購入した防災備蓄品が一斉に期限切れすることで起きる廃棄ロスを防止し、効率的な備蓄管理をできるようにした。災害時に普段と同じ食事の提供を可能にする津ことで、医療従事者のストレスを軽減する。日立ハイテクでは、防災備蓄品に対する投資を商品販売の売り上げで補?(ほてん)するとともに、職場環境の改善の効果も得られるため、限られた病院経営資源を有効に活用できるとしている。

久留米大学病院では「医師や看護師が財布やスマホを持たなくても商品を購入できるサービスは、業務が忙しくて時間が惜しい時などに活躍しそうだ。さらに、普段使いできる商品を院内の防災備蓄品の一部とみなして補充するローリングストックの仕組みも、災害に強い病院づくりや医療従事者の防災意識の向上につながると期待している」(福本義弘副院長)としている。

日立ハイテクでは今後、事業化に向けた課題を整理し、昼夜問わず院内で臨床業務に携わる医療従事者の食料や日用品をサポートすると共に、防災備蓄を担う機能を強化することで、医療機関の働き方改革を支援していく考え。