ユビー、「医師の働き方改革」に関する意識調査を実施、医師の7割がAI技術に期待

Ubie(ユビー、東京・中央区)は8月29日、全国の病院勤務医師を対象に行った「医師の働き方改革に関する意識調査」の結果を発表した。それによると、約7割の医師が労働時間短縮を実感しておらず、デジタルトランスフォーメーション(DX)については医師の約7割が「AI技術が医師の働き方改革に効果がある・効果を見込める」と回答した。


2024年4月施行の「医師の働き方改革」により労働時間が短縮されたかを訊ねたところ、「短縮されていない」(68.1%)、「多少短縮されたが、改善の余地があると感じる」(19.8%)、「短縮された」(12.1%)と、約7割の医師が労働時間が「短縮されていない」と回答している。

「医師の働き方改革」による労働時間の短縮

「労働時間が短縮されていない」と感じる主な理由として、過半数の医師が「実施された対策が不十分で効果が見られない」(52.4%)と答えており、対策の効果が限られていると分析している。

労働時間が短縮されていない理由

政府が掲げる医療DXについて、どの程度職場で実現できていると感じるか質問したところ、「全くできていない」(16.5%)と「あまりできていない」(34.9%)を合わせると、約半数の医師が「できていない」と感じており、「かなりできている」もしくは「非常にできている」と答えた医師はわずか2.6%だった。

職場におけるDXの実現状況

医師のために導入されているDXは、「医療情報連携システム」が38.6%と最も多く、次いで「スマートフォン」「診断支援AI」「問診AI」(17.28%)が並ぶ。

医師のために導入されているDX

AI技術に対する医師の働き方改革への効果については、70.6%の医師が「効果がある/効果が見込めると感じる」と回答。AI技術による労働時間短縮に期待が寄せられ、働き方改革の解決策として、AI技術の導入が大きな役割を果たすと感じている医師が多いとしている。

AI技術の医師の働き方改革への効果

職場における生成AIの活用については、「すでに活用している」(3%)、「活用する予定がある」(7%)、「活用する予定はないが興味はある」(45.2%)と5割以上の医師が興味を持っていることから、生成AIが労働環境改善に向けた潜在的な期待が大きいことを示すと分析している。

職場での生成AIの活用

調査は8月9日~8月22日にかけて、病床20以上の病院に勤務する医師を対象にインターネットで実施。「医師の働き方改革」による労働時間の変化や、働き方改革の推進に必要なDXについて質問した。有効回答数は272名だった。