PRiME-R、医療文書を半自動生成する症例報告・病歴要約支援システムを実証実験
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新医療リアルワールドデータ研究機構(PRiME-R、京都市)は6月13日、NTTプレシジョンメディシン、おうちにかえろう。病院(東京・板橋区)と、NTTプレシジョンメディシンの中小病院向けクラウド型電子カルテ「movacal.hospital(モバカルホスピタル)」に、PRiME-RのLLM(大規模言語モデル)を活用した医療テキストから文書を半自動生成する症例報告・病歴要約支援システムを実装し、おうちにかえろう。病院で実証実験を行う共同研究を開始したと発表した。
PRiME-Rは、内閣府が推進する2023年度の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」第三期の一課題「統合型ヘルスケアシステムの構築」で研究開発機関の1つに採択されている。同社ではLLMを活用し、医療テキストから文書を半自動生成する症例報告・病歴要約支援システムを開発し、退院サマリーなどの医療文書の半自動生成による医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の支援を目指してきた。
2024年10月からは、システムをNTTプレシジョンメディシンの「movacal.hospital」や在宅医療対応電子カルテ「movacal.net(モバカルネット)」の機能に搭載し、研究開発を推進。システムの試作モデルが完成したことから、2021年4月から「モバカルホスピタル」を導入する「おうちにかえろう。病院」で実際の臨床情報を使って実証実験を行うことにした。

実証実験では、おうちにかえろう。病院が、臨床現場の医師、看護師、スタッフなどが、システムで生成される退院サマリー、看護サマリー、リハビリサマリーなどの医療文書の有用性評価を検証する。臨床現場のニーズ把握などにも取り組む。
NTTプレシジョンメディシンは、「movacal.hospital」にシステムの試作モデルを実装し、検証結果や臨床現場のニーズを踏まえた機能改善、利便性向上などを図る。PRiME-Rでは、AI(人工知能)技術などを使って、システムの生成文書の精度向上などに取り組む。PRiME-Rでは今後、研究を通じて得た知見を基に、より精度の高い医療文書の自動生成を目指す。