Incerto、中小病院・診療所向け医療事務AI提供開始 レセプト算定漏れ防止や施設基準管理など支援
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AI(人工知能)導入支援などを手掛けるIncerto(インケルト、東京・荒川区)は5月8日、中小病院・診療所・クリニック向けの医療事務AIの提供を開始したと発表した。レセプト(診療報酬明細書)算定候補の抽出や施設基準・加算要件の管理を支援する。2026年6月施行予定の診療報酬改定にも対応する。
医療事務AIは、確定したカルテ記載や診療内容、処置内容を基に、算定候補や確認観点、参照すべき算定要件、過去の査定パターン、施設基準上の留意点を医療事務担当者向け画面に提示する。開始時は、算定漏れ抽出、施設基準・加算要件管理、請求前の一次チェック支援の機能を提供する。
AIは判断を肩代わりするのではなく、判断の根拠を整理して提示する役割にとどめ、最終的なカルテ記載や算定判断は医師と医療事務担当者が行う設計にした。医師の音声入力からSOAP(主観、客観、評価、計画)形式のカルテ下書きを自動生成する機能も、2026年内に順次提供する。
100~300床規模の中小病院や有床・無床の診療所、クリニックなどをターゲットにする。電子カルテやレセコン、文書管理システム、自院独自ツールとの連携は医療機関ごとのオーダーメード開発で対応する。全院一斉導入ではなく、診療科単位や特定加算群単位などの必要な範囲から段階的に導入できる。
システムは、厚生労働省、経済産業省、総務省の3省が発行する医療情報システムのセキュリティーガイドライン「3省2ガイドライン」に沿った運用を前提とし、オンプレミス、Amazon BedrockやAzure OpenAI Service、Google Cloud Vertex AIなどのエンタープライズ向けクラウドAI、ハイブリッド構成を選択できる。クラウドAIでは入力データが基盤モデルの追加学習に利用されないようにした。
導入時にはインケルトが情報セキュリティー体制、ベンダー側の責任分界、データ処理契約、保管期間、アクセス権限などを個別に設計する。