永井病院、Albatrusの文書作成支援AIシステム「Apollo AI」導入 退院サマリー作成3分に短縮

「Apollo AI」を本格運用する永井病院(三重・津市)

病院向けAI(人工知能)事業を手掛けるAlbatrus(アルバトロス、三重・津市)は9月18日、永井病院(三重・津市、199床)が、電子カルテとAIエージェントを活用したAIシステム「Apollo AI(アポロエーアイ)」の本格運用を開始し、記録業務や事務業務を効率化したと発表した。電子カルテの院内データとAIエージェントを連携させ、退院サマリーの作成時間を従来の37分から3分に短縮した。

「Apollo AI」は、電子カルテなどの院内データを活用し、AIエージェントが業務の作業手順を組み立てて実行するAIシステム。今回の導入では、CEホールディングス傘下のシーエスアイ(札幌市)が協力し、同社の電子カルテ「MI・RA・Is(ミライズ)」とデータ連携した。連携によって患者情報や診療経過を踏まえた文書作成などが可能になり、病院全体でAIを活用できる環境を整えた。

アルバトロスによると、システムの導入で、退院サマリー作成時間は37分から3分、インフォームド・コンセント(IC、十分な説明と同意)の文字起こし時間も15分から4分に短縮した。また、職員自身がプロンプト(指示文)を作成・修正できる環境を整えたことで、退院サマリーや看護サマリー、症状詳記などの主要な文書作成業務で、AIの定着率が約95%に達したという。

システムの利用では、医師が、オーダリング情報やカルテの経過をAIで統合・解析し、外来診療前の患者情報の確認で使用。看護師は、他職種がカルテに記録した情報をまとめ、看護サマリーの作成を行う。MSW(医療ソーシャルワーカー)は、スマートフォンを使った音声AIを、患者・家族への聞き取りや退院支援業務の効率化に活用する。

永井病院では、AIエージェントによる業務の自動化に加え、医師からクラーク(医師事務作業補助者)や医事課へのタスクシフト(業務移管)も推進。業務の流れを見直すことで、作業時間の削減と書類の記載率向上につなげた。

同院は、創立100周年を見据えたDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクト「NAGAI 100」に2024年から取り組んでいる。その一環でアルバトロスと過去2年間、汎用(はんよう)型生成AI「メディラクAI」の開発・実証に取り組んできた。両者は、その知見を生かし、電子カルテの院内データとAIエージェントを組み合わせた「Apollo AI」を開発・導入した。

今後は、医事課や薬剤部、看護部などの専門業務に特化したAIエージェント機能を共同開発し、全国の病院への展開を進める考え。