UNB住吉神社前クリニック、AMEDのうつ病治療反応性予測AI共同研究に参画

UNB住吉神社前クリニック(福岡市)

精神科・放射線科・脳神経外科のUNB住吉神社前クリニック(福岡市)は8月18日、日本医療研究開発機構(AMED)が2025年度の事業で採択した、脳機能指標に基づくうつ病治療反応性予測AI(人工知能)開発の共同研究に参画すると発表した。医療スタートアップのユニバーサル・ブレイン(東京・新宿区)を中心とした九州大学病院精神科神経科、独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター、国立精神・神経医療研究センターの研究グループとAI開発を進める。

研究では、ユニバーサル・ブレインが独自開発した8チャンネル非侵襲的脳波計「UB ERP System(ユービー・イーアールピー・システム)」を使用し、認知や情動機能の「事象関連電位(ERP)」と呼ばれる脳神経生理学的指標をAIが測定・解析する。

「P300」や「ERN」といった脳機能指標のデータをもとにAIがうつ病の治療反応性を予測することで、患者ごとに最適な治療法を客観的に導き出す「精密精神医療」の実現を目指す。

UNB住吉神社前クリニックは開院当初からの強みである3テスラのMRI(磁気共鳴画像装置)や脳波計測を活用した臨床・研究の知見を生かし、「ERP」の指標の治療モニタリング応用やデータ収集を担当する。

今後は、研究を通じて、外来うつ病患者を対象としたERP測定・心理評価の実施と臨床データの蓄積や脳波計測による多角的な脳機能評価プロトコルの検証、ERPとAIモデルによる治療反応性予測技術の実証と「UB ERP System」の薬機法承認取得の支援、脳機能モニタリング実装モデル構築に取り組む方針。

同クリニックによると、うつ病は世界で約3億人、国内で114万人以上の患者を抱える主要な精神疾患だが、現行の標準的治療において初回投薬で十分な効果が得られる割合は約30から40%にとどまるという。

また、治療抵抗性が認められた場合、適切な治療に到達するまでに平均約11.5カ月が必要で、平均4剤の抗うつ薬を試す現状があり、現行の治療選択は主に問診や臨床症状に依存し、投与前に客観的な治療適合性を示す指標が存在しないことが課題となっていたという。こうした背景から、研究グループでは脳神経科学的エビデンスに基づく精密精神医療に活用できるAI開発に取り組むことにした。