医療機関の倒産、2026年上半期は過去最多で診療所の厳しさ目立つ 帝国データバンク調査

帝国データバンク(東京・港区)は7月13日、2026年上半期の医療機関の倒産動向調査を発表した。病院、診療所、歯科医院の倒産は39件となり、過去最多だった2025年上半期の35件を上回った。同社は、年間で初めて80件に達する可能性があると予測している。

2026年上半期の負債総額は123億8000万円で、前年同期から32.6%減少した。件数は増えた一方、小規模倒産の割合が高かった。

内訳は、「病院」が4件で負債総額35億5500万円、「診療所」が19件で同79億800万円、「歯科医院」が16件で同9億1700万円だった。このうち診療所は、上半期として最も多かった2009年上半期の16件を上回り、過去最多となった。歯科医院は、過去最多だった2024年上半期の16件と同水準だった。

負債10億円以上の倒産は4件だった。内訳は病院2件、診療所2件。態様別では、37件が破産で、全体の94.9%を占めた。都道府県別では東京が9件で最も多く、大阪が4件、北海道、兵庫、福岡が各3件だった。

医療機関の倒産件数の推移
医療機関の倒産件数の推移

施設別では、病院の倒産は前年同期に比べて5件少なく、上半期としては3年ぶりに減少した。ただ、負債10億円以上の倒産が2件発生した。

診療所は19件のうち9件が内科診療だった。次いで外科が4件、眼科が3件、婦人科が2件となった。内科では、老人福祉施設やデイサービスを並行して運営する事業者もあり、こうした事業の悪化が重なって倒産するケースもみられた。負債規模別では、負債3億円未満の小規模倒産が6割強を占めた。

診療所は、コロナ禍での業績悪化に加え、物価高や人手不足、人件費高騰などが強く影響した。また、経営者の病気や死亡により事業継続が難しくなったケースが4割を占めた。

帝国データバンクによると、医療機関では、医療機器や消耗品の価格高騰、光熱費、人件費などのコスト上昇に対し、診療報酬の改定が追い付かず、収支が悪化する環境が続いており、働き方改革や賃上げ、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)など対応すべき課題も多いと指摘する。

一方で、経営者の医師の高齢化や事業承継を背景に、M&A(企業の合併・買収)の需要も高まっているという。同社では、医療分野の経営を専門とする再生事業者による買収の動きもあるが、医療機関を狙った詐欺や悪質なM&Aのケースもみられると注意を促している。

調査は、法的整理かつ負債額1000万円以上の「病院」「診療所」「歯科医院」の経営を主業とする事業者を対象にした。倒産件数は事業者数で、施設数ではない。