レイヤード、3病院で医療DX実践モデル構築 患者説明・カルテ記録・同意取得を効率化

医療クラウドサービス事業などのレイヤード(福岡市)は6月18日、公立八女総合病院(福岡・八女市)、友愛医療センター(沖縄・豊見城市)、角田病院(群馬・玉村町)と連携し、患者説明やカルテ記録、同意取得といった患者コミュニケーション領域で、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の実践モデル構築を支援したと発表した。

今回の取り組みでは、患者コミュニケーションに関わる一連の業務を対象に、個別業務だけでなく、全体の流れを踏まえた業務プロセスの最適化を図った。具体的には、患者説明での動画活用、カルテ記録での音声認識AI(人工知能)の導入、同意取得での電子同意書などを、3病院の課題に応じて提供した。

角田病院では、手術同意書を電子化し、患者が事前に自宅で内容を確認できる仕組みを導入した。患者が説明内容のうち理解が不十分な箇所をチェックできるようにして、医療者側と共有することで、診察時には不明点に絞って説明できるようにした。

その結果、医師の説明時間が1件あたり約10分から約2分に短縮した。患者ごとの不明点を把握した上で説明できるようになり、説明の効率化に加え、患者の理解度や納得感の向上、院内滞在時間の短縮にもつながった。

友愛医療センターでは、音声認識AIを活用したカルテ記録支援を導入した。患者や家族との対話内容を録音し、自動でテキスト化する仕組みで、出力されるテキスト形式も現場の運用に合わせて調整し、必要な情報を整理しやすい形で記録できるようにした。

同センターでは、音声認識AIの導入で医師のカルテ記入時間が1件あたり20~30分から2~3分に短縮。患者や家族との対話内容を録音し、自動文字起こしから生成AIによる要約までを一貫して行うことで、記録業務の効率化や内容の正確性向上を図った。看護記録でも記録時間の短縮を確かめた。

公立八女総合病院では、患者向けの手術説明動画を制作し、患者が事前に視聴した上で診察に臨む運用に変更した。診察時には、動画で理解した内容を前提に、補足説明や質疑対応を中心に進めるようにした。

手術説明動画の導入で、医師の説明時間は1件あたり約3分短縮した。手術手技に関する説明を一から行う必要がなくなり、説明業務を効率化、標準化できた。患者が事前に内容を理解した上で診察に臨めるようになり、説明内容の理解促進にもつながった。

レイヤードでは今後も、各病院での取り組み継続と対象領域の拡張を進める。また、今回の施策で得た知見をもとに、患者コミュニケーション領域の医療DX実践モデルとして、他の医療機関にも展開する。