マイクロチップ、医療機器など向けセキュリティーチップ「TrustFLEX」にセキュア認証IC追加

米マイクロチップ・テクノロジー(アリゾナ州)は8月16日、同社のセキュアエレメント(IoT向けの機密情報保持チップ)「TrustFLEX(トラストフレックス)シリーズ」の機器、サービス、ツールに、セキュア認証IC「CryptoAuthentication(クリプトオーセンティケーション)IC」の「ECC204」「SHA104」「SHA105」を追加すると発表した。

「CryptoAuthentication IC」は、あらゆるMPU(超小型演算処理装置)やMCU(マイクロコントローラー)と互換性を持つ小型の低消費電力機器。医療機器、ウエアラブル、使い捨てアプリケーションなどで使われるIoT(モノのインターネット)ノードを保護するための柔軟なソリューションを提供する。

「ECC20x IC」と「SHA10x IC」は不正な攻撃から秘密鍵を秘匿する事を目的に設計されたハードウエアベースのセキュアストレージデバイス(データを暗号化して保存するデバイス)。幅広いシステムとアプリケーションでデータと通信の機密性や完全性、真正性を確保する「信頼できる認証」を実装できるように設計されている。

2つのシリーズで、今回で追加する「ECC204」「SHA104」「SHA105」は、事前に定義されたユースケース、カスタマイズが可能な暗号鍵、サンプルコードを組み込むことで、開発を合理化できるように設定した。

また、セキュリティーの国際標準規格「CC」のJIL(Joint Interpretation Library)で高評価のセキュアな鍵ストレージ要件に対応しており、FIPS(連邦情報処理標準)に準拠してNIST(米国国立標準技術研究所)ESV(開発証拠資料・テストに基づくエントロピー源の適切性の検査)とCAVP(暗号アルゴリズム認証制度)で認証されている。

マイクロチップテクノロジーでは、コンシューマ、産業用、データセンター、医療アプリケーションの保護でセキュアな鍵の保存が重要な一方で、セキュアな鍵のプロビジョニング(準備・提供)開発と文書化のプロセスは複雑で高いコストがかかる状況があるという。そこで同社では、参入障壁を引き下げ、プロトタイプの製作をより短期間で行えるようにするために、今回の認証IC追加を決めたとしている。