キヤノンITS、新ビジョン発表 セキュリティー事業で医療分野開拓へ
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新ビジョンを発表する須山社長
キヤノンITソリューションズは4月16日、経営の新ビジョンを発表した。スマートSCM、モビリティDX(デジタルトランスフォーメーション)、金融コアIT、文教ICT(情報通信技術)、バックオフィスDX、クラウドセキュリティー、ITプラットホームサービスの7領域に注力する。2030年に売上は2025年比で1.4倍以上を目指す。
新ビジョンでは「共想共創カンパニー2030」を掲げた。価値創出と、顧客と社員のエンゲージメントを高めながら、価値を生み出し続ける成長モデルを目指す。「7つの領域で成長をけん引し、2030年に売上比率で50%以上を担う規模にしていく」と須山寛社長は新ビジョン説明会で述べた。

重点事業領域のスマートSCMでは、製造業には生産から配送、小売り・卸売業には販売管理を中心にしたトータルソリューションを提供する。モビリティDXは、自動車OEM(相手先ブランドによる生産)や部品サプライヤー、重機・建機メーカーに車載ソフトウエアの組み込み開発を支援する。
金融コアITは、基幹システムの開発などを手掛ける。文教ICTは学校のICT環境整備に取り組む。バックオフィスDXは、会計・人事給与システムを中心にした業務効率化を支援する。ITプラットホームサービスは、顧客システムのモダナイゼーションとデータマネジメントをサポートする。
クラウドセキュリティーでは、医療分野の開拓も視野に入れる。セキュリティー事業は、企業向けにサイバー攻撃などのリスクに対するアセスメントから、コンサルティング、監視・運用までトータルセキュリティーサービスを提供する。ソリューションのラインアップも今後拡充する。
医療ではCT(コンピューター断層撮影装置)などを手掛け、医療機関に強いキヤノンやキヤノンメディカルシステムズと連携し、病院向けソリューションの組み込み開発を支援するほか、セキュリティーサービスの販売にも取り組む。「DXとセキュリティーがこれから重要視されてくる医療分野は広げていきたい」(須山社長)という。

新ビジョンでは製品開発・社内業務でのAI(人工知能)活用も打ち出した。2026年は社内にAI活用基盤を整備し、開発・間接部門を含め全社的に生成AIの活用を始める。2027年には開発部門でAI駆動開発を本格的に導入し、対象案件に標準適用する。セキュリティーソリューション開発でもAIを活用する。AIによって、サイバー攻撃のパターン解析やふるまい検知などの精度向上につなげる。

須山社長は「現場で得た知見をAIで活用して全社で横展開する。この循環を回し続けることで、AI活用が一過性の取り組みではなく、持続的な競争力の源泉になる」と語った。