ウィーメックス、「生成AI薬歴入力支援サービス」の提供開始、薬剤師の業務負担軽減

PHCホールディングス(東京・千代田区)傘下のウィーメックス(東京・渋谷区)は8月29日、「生成AI薬歴入力支援サービス」を9月2日から提供開始すると発表した。

「生成AI薬歴入力支援サービス」は、薬剤師と患者の服薬指導時の音声を音声認識AIが解析し、OpenAIの生成AI「GPT-3.5」で薬歴のフォーマットに合わせてテキストを自動生成するシステム。

テキスト生成は、「即時」「後から」のいずれかを選択可能。混雑時には「後から」を選べば、テキストの生成を待つことなく、すぐに次の患者の服薬指導の録音を開始することが可能。服薬指導ごとにデータが生成・蓄積され、隙間時間などを利用して確認・編集・薬歴システムへの転記も可能。また、電子カルテと同等のセキュリティ環境で、3省2ガイドラインに則ってデータを管理する。

厚労省の「薬剤師の需給動向把握事業における調査結果概要」によると、薬剤師の薬歴入力業務にかかる時間は1日当たり約1時間25分。2023年10月にウィーメックスが薬剤師881名を対象に実施した調査では、約70%の薬剤師が服薬指導中の会話内容をメモに残し、手の空いた時間にそのメモをもとに薬歴を入力すると回答した。薬局の開局中は、患者への対応や疑義照会、薬剤の発注業務などがあり、薬歴の入力は閉局後となるケースも多く、薬剤師の残業時間の増加が指摘されていた。

この問題に対し、ウィーメックスでは昨年、日本マイクロソフトの技術協力を得て、OpenAIの生成AI「GPT-3.5」と音声認識AIを搭載した薬歴入力支援システムの開発・実証実験に着手。2024年5月に実店舗におけるトライアル利用を開始、得られた知見をもとに機能改善を行い、9月から提供開始となった。