EMシステムズ、プレカルと薬局向け処方箋入力サービス製品化へ

EMシステムズは8月10日、子会社のプレカル(東京・渋谷区)と連携し、薬局向け処方箋入力サービス製品版の開発を開始すると発表した。3月から実施している実証実験の中間評価を踏まえて製品化を決めた。2026年12月の提供開始を目指す。実証では処方箋画像の送信からデータ返却まで平均2分で、入力の正確性は99%以上の水準を維持した。

開発する処方箋入力サービスは、薬局から送信された処方箋をOCR(光学式文字読み取り)でデータ化し、人によるチェックと薬局ごとのルールを組み合わせて入力内容を確定。その後、処方箋情報をEMシステムズのレセプトコンピューター(レセコン)に登録する仕組み。手書きの記載や医療機関ごとの記載方法の違いなど、文字認識だけでは判断が難しい内容にも対応する。

両社は3月からEMシステムズのシステムを利用する薬局を対象に実証を進めてきた。当初は2026年内の製品化を予定していたが、中間評価を受けて12月を目標時期に決定した。EMシステムズは2025年9月にプレカルを完全子会社化しており、今回のサービスは調剤分野の中核製品の1つに位置付けている。

実証では、薬局が処方箋画像を送信してからデータを返却するまで平均2分で、入力の正確性も目標とする99%以上の水準を維持した。利用する薬局からは、経験を積んだ事務職員に近い入力品質や、OCRだけでは難しい内容にも対応できる点が評価されたという。

現在、実証は処方箋情報のデータ化とレセコンへの登録を中心に行っているが、製品版では、診療報酬の算定項目の確認や後発医薬品への変更など、薬局側が行う入力・判断業務にも対象を広げる。自動処理できる領域を増やす一方、薬剤師による確認が必要な業務は少ない操作で完結できるよう設計する考え。

処方箋から調剤データを確定するには、患者の保険資格や医薬品の在庫、過去の調剤履歴などとの照合が必要になる。今後はプレカルのサービスとEMシステムズのレセコンとの連携を強化し、こうした情報を参照できるようにする。処方箋のデータ化だけでなく、調剤データの確定までを一連の流れとして処理し、薬剤師やスタッフによる確認作業を減らす。

さらに、薬剤情報提供文書や薬袋の印刷、調剤機器との連携など、処方箋の受け付けから患者への薬の受け渡しまでの業務全体で作業が減らせるようにする。サービスを通じて業務効率化や患者の待ち時間短縮を図り、薬剤師が服薬指導などの対人業務に注力できる環境を整える。