ファストドクター、オンライン診療で呼吸器内科の提供開始

ファストドクター(東京・渋谷区)は8月1日、オンライン診療サービスで、呼吸器内科の提供を新しく開始すると発表した。せきや息切れなどの慢性的な症状を抱えながら、地域性や生活環境で通院が難しい患者に、対面診療と連携して新たな医療アクセスを提供する。

呼吸器内科のオンライン診療は、ぜんそく症状、息切れ、喘鳴(ぜんめい)、長引くせき、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)などの症状に対応する。診療前相談で、医師が症状や既往歴を確認。緊急度が高い場合やオンライン診療の適用外と判断された場合には対面診療を案内する。その場合は診療前相談費用は発生しない。薬は吸入薬、ぜんそく発作の治療薬、長時間作用性β2刺激薬などを処方する。

医療相談を含む医療行為はファストドクターが提携する医療機関所属の医師が担当する。診療体制は、呼吸器領域での経験を有する約50名の医師で構成され、日本喘息学会の実践ガイドラインに基づいてオンライン診療を行う。

画像検査や身体診察が必要な場合は、地域の医療機関と連携し、対面受診につなぐ仕組みを整備し、患者の安全性に配慮した体制を整えた。治療効果の評価には国際指標「ACT」を導入し、症状を継続的にモニタリングする。処方は、既往歴のない患者は初診時に最大7日分、既往歴のある患者でも初診時は最大7日分までとし、以降は医師の判断で最大30日分まで、薬の効果を確認しながら適宜処方内容を調整します。

利用可能時間は、7時~21時で365日対応する。診察費用は、保険診療の自己負担分にシステム利用料(初診330円、再診880円)を想定。薬の処方がある場合には、別途薬代がかかる。

ファストドクターでは、せきや息切れなどの症状に対し、「対面受診すべきか」をまず医師に相談したい人、仕事や育児、介護などで通院が難しいが、吸入薬などの定期処方を切らしたくない人、夜間や休日に症状が悪化し、医師のアドバイスを早めに受けたい人、離島・中山間地域など近くに専門医療機関が限られる地域で、初期相談や継続治療を受けたい人などの利用を見込む。

同社は、これまで感染症などの急性期対応に加え、生活習慣病、精神疾患、アレルギー症状といった慢性期領域のオンライン診療サービスを展開してきた。今回、呼吸器内科を新設し慢性呼吸器疾患に求められる 「長期的かつ切れ目のない治療」を支援する。これに伴い、初期相談から継続治療まで一貫して対応できる体制も整える。