福井赤十字病院、アルムの医療者間連絡アプリ活用し脳卒中の急性期医療連携を開始
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福井赤十字病院などが行う脳卒中の急性期医療連携の概要
ディー・エヌ・エー(DeNA)子会社で医療ICT(情報通信技術)事業を展開するアルム(東京・渋谷区)は4月16日、福井赤十字病院(福井・福井市)と、連携医療施設間で、医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join(ジョイン)」を利用した脳卒中の急性期医療連携を開始すると発表した。
今回の連携では、24時間、365日の緊急対応を行っている福井・坂井エリアの福井赤十字病院が支援医療施設となり、越前町国民健康保険織田病院(越前町)、公立丹南病院(鯖江市)、木村病院(同)の丹南エリアの連携医療施設と「Join」で脳卒中の超急性期医療ネットワークを構築する。
「Join」は、PACS(医療用画像管理システム)などと連携し、チャットで医師や看護師が患者の情報を共有できるアプリ。MRI(磁気共鳴画像装置)やCT(コンピューター断層撮影装置)の画像をアプリで共有し、専門医の意見を即座にもらえるほか、チャットやビデオ通話で、緊急時の対応や治療方針の確認が行える。
連携する医療機関では、アプリを使った急性期医療連携を通じて、夜間休日の専門医が不在時のコンサルト(医師が専門外の領域や複雑な症例を、ほかの医療機関や専門医に依頼する)を行うほか、患者への手術が必要と判断した場合は福井赤十字病院に対し、事前に情報連携することで、脳卒中の治療開始時間のスピードアップに取り組む。
福井県の中央に位置する丹南エリア(鯖江市、越前市、今立郡池田町、南条郡南越前町、丹生郡越前町)は医師少数区域で、常に専門医の診断を受けられるという環境ではない地域もあるという。
一方で、脳卒中は、早期に診断することが重要で、特に脳梗塞は血管がつまって脳が壊死(えし)してしまうため1分でも速い治療が求められ、後遺症をできるだけ低減する治療や手術で専門医判断を迅速に行う必要がある。福井赤十字病院などでは、こうした状況を踏まえ、迅速な脳卒中の医療体制構築で急性期医療連携を行うことにした。