SCSKなど、がん患者の地域医療連携効率化を医療ソリューション活用し共同研究

がん診療地域医療連携プラットフォームの概要

SCSK(東京・江東区)は8月27日、大阪国際がんセンター(大阪市)、LIGARE血液内科太田クリニック・心斎橋(大阪市)、大阪公立大学医学部附属病院(大阪市)と、医療機関向けデジタルソリューション「Dr2GO」を活用し、がん患者の地域医療連携効率化の共同研究を8月から開始したと発表した。

今回の共同研究では、大阪国際がんセンター、大阪公立大学医学部附属病院で受診後、LIGARE 血液内科太田クリニック・心斎橋に紹介する血液がん患者を対象に、紹介元(がん診療連携拠点病院)から紹介先(地域医療機関)に対する患者の「紹介相談」や「地域連携パスの共有」、紹介先から紹介元に対する「治療経過の共有」や「チャットによる治療相談」をデジタルで行うことで、がん診療連携拠点病院と地域医療機関の連携の有用性を検証する。また、診療現場での医療連携にかかる時間や作業負担などでの有効性の評価、臨床現場での応用や、ほかの地域で展開する可能性も確かめる。

研究で使用する「Dr2GO」は、医療従事者間のコミュニケーションを効率化するチャット機能の「コミュニケーションサービス」、診療に必要な医学や医薬品情報の検索・閲覧、AI(人工知能)が閲覧履歴からプッシュ型で提案する「医学情報検索・配信サービス」、転院調整時の情報共有などが行える「地域医療連携サービス」などを提供する。今回は、倉敷エリアでの共同研究で拡張したDr2GOの「地域連携機能」を活用した「がん診療地域医療連携プラットフォーム」で実施する。

SCSKでは今後、共同研究を通じて、がん診療地域医療連携プラットフォームの構築にDr2GOの有用性を明らかにした後、大阪国際がんセンター、LIGARE血液内科太田クリニック・心斎橋、大阪公立大学医学部附属病院と、「患者の状況に応じて診療に必要な情報を掲載する機能」を実装する。また、今後AIなどの技術を活用し、医師・医療従事者の働き方改革に役立つ「医療機関の事務作業の効率化機能」を開発する計画。