TXPメディカル、仙台市で新救急搬送情報システム「NSER mobile」の検証事業開始

TXP Medical(TXPメディカル、東京・千代田区)は8月19日、仙台市消防局の新しい救急搬送情報システムとして「NSER mobile」による救急搬送の検証事業を開始したことを発表した。

検証事業には、市内8つの救急隊*と、市内の3次救急医療機関である東北大学病院、仙台医療センター、仙台市立病院に加えて仙台オープン病院の計4医療機関が実証に参加。対象救急隊にはタブレット端末(iPad)を配備し、「NSER mobile」を通じて医療機関とデジタル情報をやりとりしながら救急搬送を行う。

「NSER mobile」は、救急現場と搬送先医療機関間のコミュニケーションを円滑にし、救急対応の効率化を図るシステム。救急車内に配備されたタブレットで人工知能(AI)を活用し、従来、電話と紙の帳票で行われていた患者情報を、効率的に搬送先医療機関へ送信する。これにより救急医療の見える化を実現し、搬送業務や情報共有の効率化を図る。

機能としては事案情報入力の他、病歴やバイタルサイン、静止画、動画情報の共有、一斉照会機能、診療科ごとの応需可否情報、応需履歴の共有、事後検証機能、OA機能など、救急医療におけるデータプラットホームとしての機能を実装する。

仙台市では、傷病者からの聴取項目や医療機関への伝達項目の増加、医療機関の救急受け入れ体制の逼迫などといった原因により、入電から医療機関収容までの時間の延伸が課題となっている。本システムの導入により、救急搬送困難事例の解消と、EBPM(Evidence-based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)の推進を目指すとしている。

*対象救急隊
救急ステーション救急隊、中央第一救急隊、青葉第一救急隊、鶴谷救急隊、原町救急隊、河原町救急隊、長町救急隊、八乙女救急隊