近畿大学病院、アバターを活用した受付業務省人化の実証実験
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近畿大学病院の受付に設置したアバターディスプレー
近畿大学病院(大阪狭山市)は2月4日、アバター事業を手掛けるAVITA(アビータ、東京・目黒)と、アバターを活用し受付業務を省人化する実証実験を2月10日から開始すると発表した。
実証実験では、受付に設置したディスプレーの表示に従って、来院者がマイクに話しかけると、受付担当の職員が遠隔で操作するアバターが対応するシステムを検証する。実証を通じて、患者への迅速で効率的なサービスの提供や柔軟な対応、医療従事者の負担軽減につながるかを確かめる。
使用するアバター接客「AVACOM」は、AI(人工知能)やリモート接客(遠隔接客)で接客を効率化できるサービス。近畿大学病院では、アバターが時に人よりも話やすく、気軽に相談ができるため、オペレーターの負荷軽減に加え、患者や来院者に寄り添うサービスの提供が可能となると見込む。
近畿大学病院は、1日あたり平均で約2200人の外来患者と、平均約750人の入院患者が来院。同院では、受付の対応人数に限界があり、患者が長時間の待つことや、多言語対応なども課題となっていた。
こうした中、近畿大学医学部と病院が2025年11月に大阪府堺市の泉ケ丘駅前に移転することを契機に、新病院で院内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進する「スマートホスピタル」を掲げ、その一環で、アバターや生成AIなどの技術に強みを持ち、企業や行政にアバター接客の導入実績を持つAVITAと共同で受付無人化の実証実験を実施することにした。
今後は、実証を経て、受付業務の無人化を実現する初の大学病院を目指す。将来的には、AI技術を活用し、総合案内や診療受付だけではなく、手術や入院時の説明を行う医療従事者のサポートとしてもアバターを活用する。