オーガイHD、医療MaaS車で医科と歯科を同時健診する実証実験

歯科医療MaaS車「O-Gai(オーガイ)」

デジタル歯科インフラのオーガイホールディングス(HD、大阪・堺市)は9月19日、マグチグループ(大阪市)、医療法人桜誠会の永井医師、諏訪ノ森歯科・矯正歯科の高村医師と、歯科医療MaaS(次世代移動サービス)車「O-Gai(オーガイ)」を使った医科と歯科の
ワンストップ企業健診の実証実験を実施したと発表した。

歯科医療MaaS車両「O-Gai」は、口腔(こうくう)スキャナーや歯科医療機器、クラウド接続機能などを搭載するトレーラー型の歯科医療MaaS車両。歯科健診、予防指導、義歯・マウスピースの製作支援、オンライン診療連携などが実施可能な移動式医療ユニットで、地域医療や企業健診、被災地支援など幅広い場面で活用できる。

社内の一室で実施された医科健診の様子
社内の一室で実施された医科健診の様子

実証では「O-Gai」を活用し、医科の二次健診とデジタル歯科健診を同日、同会場、勤務中に完結できる体制を構築した。企業健診は医科と歯科が別日程・別施設で行われるのが一般的だが、今回の実証モデルでは、医師と歯科医師が同時に現地で健診を行い、3D口腔スキャンデータを即時に取得しクラウド連携した。

医科健診(血液検査や心電図など)もその場で完結
医科健診(血液検査や心電図など)もその場で完結

医師は労災二次健診として、問診、血液検査、心電図、頸(けい)動脈・心臓エコーなどを実施。歯科医師は口腔内診査や歯周病チェックに加え、3Dスキャナーによる口腔内スキャンを実施した。

歯科健診では口腔スキャンや歯周病チェックを実施
歯科健診では口腔スキャンや歯周病チェックを実施

3Dスキャンデータは、その場でQRコード化して提供。スマートフォンでの閲覧やクラウドでの共有。データは、後日の義歯製作や予防指導にも活用された。

働き方改革や高齢化が進み、企業の「健康経営」の重要性が急速に高まるなか、歯科健診の受診率が低く、移動や通院の負担も大きいことが課題となっている。オーガイHDでは、こうした課題の解決で、医科と歯科の両健診をその場で完結させる「ワンストップ健診」のモデルを開発。今回、実効性などの検証で実証実験を実施した。

今後は、今回の実証実験で得た知見を生かし、法人向けパッケージとして展開するほか、自治体や企業と連携した地域モデルの共創を推進する。また、働く世代の「未病・予防医療」へのアクセス向上と、健診データとAI(人工知能)を活用した疾病リスク予測モデルも開発する。