日立ハイテク、藤田医大とAIで採血の呼び出し時間を予測し患者に知らせるシステム開発

呼び出し時間が印字された採血受付票の見本

日立ハイテクは7月28日、藤田医科大学(愛知・豊明市)と、AI(人工知能)を活用した病院の採血室の患者の待ち時間を可視化するシステム「採血呼出し時間予測AIシステム」を開発し、藤田医科大学病院(同)で8月から本格的に運用を開始すると発表した。

開発した採血呼び出し時間予測AIは、患者が病院の採血室で受付した際に、AI(人工知能)が採血の呼び出し時間を予測して患者へ通知するシステム。

患者は呼び出し時間がわかることで、待ち時間の過ごし方や場所を選べるため、滞在場所の分散が進み、待合室の混雑が緩和につながるという。また、採血受付窓口担当者に待ち時間の問い合わせがほぼなくなり、受付業務の負担が軽減されるとしている。2023年9月に開始したシステムで採血受付票に呼び出し時間を印字する実証実験では、プラスマイナス4分以内で94%という予測精度を実現し、現在も精度を維持しているという。

藤田医科大学と日立ハイテクは、2020年10月1日に共同研究講座「先端臨床検査技術開発講座」を開設し、AIとロボットを病院臨床検査部へ導入する研究を行っている。今回のシステムはその成果の一環。両者は受付から実際の採血までの時間が長くなると患者満足度の低下につながるとして、この課題解決で、採血待ちの時間短縮だけではなく、患者が待ち時間の見通しも分かることで満足度向上につながるシステムを開発した。