ジェイフロンティア、AIスタートアップのSushi AIと資本業務提携、人工知能を事業活用
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ジェイフロンティア(東京・渋谷区)は5月29日、AI(人工知能)開発・支援スタートアップのSushi AI(スシエーアイ、東京・港区)と資本業務提携したと発表した。
Sushi AIは、東京大学在籍や出身のAIエンジニアが多く所属し、AIスタートアップの立ち上げを支援するAI特化型インキュベーション支援と、特定領域のるニーズを共通化や再構築し、自社のSaaSとして汎用(はんよう)化したサービス提供、企業ごとのニーズや業務課題に合わせた、フルスクラッチのAI開発と改善サポートを手掛ける。
提携では、「画像診断AIを導入したオンライン診療支援」「薬効と副作用のAI解析」「コールセンターのAI化」「患者行動や疾患リスクに基づくAI予測モデル」に取り組む。

「画像診断AIを導入したオンライン診療支援」は、皮膚疾患や眼科疾患など、視覚的な診断を要する症例に対し、画像診断AIを取り入れ、専門医の診断スキルをデータで取り込み、専門医と同等の初期診断をできるようにする。医療アクセスが困難な地域で対面診療の代替の活用を見込んでおり、診断精度の向上を図る。
「薬効と副作用のAI解析」は、服薬指導時の音声、映像データ、問診データ、服薬後の患者の症状変化などの自己申告データを基に、AIが薬剤の実効性や副作用の傾向を分析する。解析データを医療機関、薬局に提供し、薬剤適正使用の支援と、副作用リスクの軽減につなげる。
「コールセンターのAI化」は、既存のコールセンターでの医療機関、薬局、患者の問い合わせ情報をAIに取り込み、コールシステムをAIに置き換える。医療に関連する高難易度の問い合わせなどにもAIが回答できるようにすることで、コスト効率に優れ、高品質な対応のコールセンターサービスを提供する。
「患者行動や疾患リスクに基づくAI予測モデル」では、年齢、既往歴、生活習慣、診療・服薬履歴などをAIが分析し、セルフケア商材の案内や再診誘導など、患者一人一人に対して最適な健康管理の提案を行うモデルを構築。生活習慣病やメンタルヘルス、そのほかの疾患で悪化予防を早期段階で支援するサービスを開発する。
ジェイフロンティアは、オンライン診療・服薬指導・処方薬宅配サービス「SOKUYAKU(ソクヤク)」で、AI技術の導入によるサービスの高度化を進めている。今回の提携で、Sushi AIが持つAI領域の知見と開発力を活用することで、未病と予防期間の長期化と疾病期間の短縮化を目指す自社の事業モデルにAIを組み込み、精緻な個別対応や効率的な事業体制の構築につなげる。また、提携を通じて、経営資源を補完し、事業スピードの向上を図る。