InnoJin、VR活用の小児弱視訓練用プログラム医療機器を認定臨床研究審査委員会が承認

VR活用の小児弱視訓練用プログラム医療機器を装着し、けん玉ゲームを体験する様子

順天堂大発ベンチャー企業のInnoJin(イノジン、東京・文京区)は9月9日、開発中の「VRを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器(未承認)」が、臨床研究法に基づく特定臨床研究の実施で、認定臨床研究審査委員会(CRB)の承認を取得したと発表した。

InnoJinによると、弱視は、片目または両目の視力の発達が不十分な病気で、子どもの約1~5%にみられるという。

弱視の治療は、完全矯正眼鏡やアイパッチなどを使って、「健眼遮閉」と呼ばれる、よく見える方の目をふさいで実施する訓練法を実施することが一般的だが、子どもの心理的や物理的な負担が大きく、治療の継続が困難になるケースも多いとされる。また、弱視の治療は10歳頃までの「感受性期」に行う必要があり、この時期を過ぎると十分な治療効果が得られなくなる可能性があるという。

卓球ゲーム画面イメージ
卓球ゲームの画面イメージ
テニスゲーム画面イメージ
テニスゲームの画面イメージ

InnoJinでは、こうした課題を背景に、VR(仮想現実)技術を活用した弱視訓練用プログラム医療機器の開発に取り組んでいる。子どもたちがVRゴーグルを着用し、けん玉、卓球、テニスといったゲームを通じて、楽しみながら自然に訓練できる環境を提供することで、治療に伴う心理的負担を軽減する。治療アドヒアランスや治療効果向上も見込む。

同社は現在、複数の医療機関と連携し、VRを活用した小児弱視訓練用プログラム医療機器(未承認)の効果の特定臨床研究と実用化に向けた取り組みを進めている。将来的には、医療機関を通じて家庭でも実施可能な弱視訓練プログラムでの提供を目指している。