福岡大病院、手術支援ロボット「ダビンチSP」で単孔ロボット手術を開始
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記者発表会で単孔ロボット手術について説明する福岡大学病院副病院長の長谷川傑教授
福岡大学病院は12月26日、米インテュイティブサージカルの手術支援ロボット「ダビンチSP」を使った単孔(ワンポート)ロボット手術の導入と運用を新たに開始したと発表した。九州では初導入という。
今回、同院で運用する単孔ロボット手術は、これまで4カ所必要だった腹部の切開を、1カ所に減らすことができる。「ダビンチSP」は体内で自在に動く多関節アームを使って、わずかな空間から繊細な操作ができる。手術の傷が小さくて済み、術後の回復や生活の質向上にも寄与するという。同院では、低侵襲手術の進化につながるものと説明している。
福岡大学病院は、2015年に手術支援ロボット「ダビンチ」を導入して以降、消化器外科や泌尿器外科、呼吸器外科、婦人科などの領域で、がん治療のロボット支援下手術を実施する。結腸・直腸がんや、肺がんなどのロボット支援下手術件数が九州最多で、年間で約700件の症例数の実績がある。また、2020年に「最先端ロボット手術センター」を開設し、病院全体で効率的なロボット支援下手術の運用を行うとともに、人材育成にも力を入れている。
副病院長で消化器外科の長谷川傑教授は22日の記者発表会で、「患者さん一人ひとりへの負担を最小限に、安全で高精度な手術を提供することは本病院の大きな使命の1つと考えている。今後も患者さんに応じて最適な医療を提供していく」と語った。