湘南鎌倉総合病院、新型手術支援ロボット「ダビンチ5」で胃がん手術を実施

湘南鎌倉総合病院で「ダビンチ5」を使用した胃がん手術の様子

湘南鎌倉総合病院(神奈川・鎌倉市)は7月22日、米インテュティブサージカルの新型手術支援ロボット「ダビンチ5」を使った同院で一例目となる胃がんのロボット支援下手術を実施したと発表した。神奈川県内の医療機関での導入は初という。

「ダビンチ5」のアームを患者にドッキングしている様子
「ダビンチ5」のアームを患者にドッキングしている様子

手術は消化器外科で実施した。手術では「ダビンチ5」が術者の精緻な操作を正確に再現し、術中の視野と安定性ともに極めて良好な環境を確保したとしている。術中合併症はなく、安全で予定通りの手技で終了したという。術式は「ロボット支援幽門側胃切除ビルロートII法再建」で、コンソール時間は3時間34分、患者の出血量は80mLだった。

「ダビンチ5」のアームを患者にドッキングしている様子
「ダビンチ5」のアームを患者にドッキングしている様子

手術の執刀医を務めた細田桂・上部消化管外科部長・ロボット手術センター長は「今回の症例では、横行結腸間膜への浸潤が認められたため、横行結腸間膜の合併切除を要するやや複雑な手術となったが、『ダビンチ5』に搭載された『フォース(力覚)フィードバック機能』で、組織の抵抗感を感知しながら操作できたことで、術者としても大きな安心感を持って手術に臨めた。今後はこの技術を生かし、より高難度な症例にも柔軟に対応できるよう運用体制を整えながら活用の幅を広げていきたい」と話している。

湘南鎌倉総合病院では、今回の胃がん手術を皮切りに、今後は泌尿器科、呼吸器外科、婦人科などにも対象を広げ、安全性と有効性を重視しながら段階的に運用を拡大する計画。各診療科と連携し、症例の蓄積を通じて質の高いロボット手術の提供を目指す。将来的には医師の教育と研修での活用も視野に入れている。