NTTコム、日本外科学会やメディカロイドと手術支援ロボット「hinotori」で仏日間の遠隔手術に成功
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手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」
NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は6月17日、医療用ロボット開発などのメディカロイド(神戸市)、日本外科学会(東京・港区)と、メディカロイドの手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)サージカルロボットシステム」を使った兵庫県神戸市と仏ストラスブール間の遠隔ロボット手術の実証実験に成功したと発表した。
実証実験は、フランスのストラスブールに拠点を置くロボットトレーニングセンター「IRCAD」に設置した「hinotori」のユニットの「サージョンコックピット」からIRCAD創設者のジャック・マレスコー氏の指揮で、IRCADラテンアメリカサイエンティフィック・ディレクターのアルマンド・メラーニ氏が手術操作を行い、日本外科学会の医師が助手操作と補助する形で、神戸市に設置した「hinotori」ユニットの「オペレーションユニット」の手術操作を遠隔で実施した。
実証では、「hinotori」とNTTコムの高速で安定した通信ネットワークインフラを活用することで、太平洋と大西洋をまたぐ片道で約2万3000kmに及ぶ距離での遠隔操作を可能にした。
実証実験の結果について、ジャック・マレスコー氏は「今回の成功は単なる技術進歩の域を超え、長年抱き続けたビジョンを体現するものだ。私たちは地理的な障壁を打ち破り、世界中で専門的な外科治療を提供しようとしているこれは、外科手術の均てん化に向けた究極の一歩だ」と話した。
一方、日本外科学会では「実験の成功は遠隔手術が国内のみでなく国外との医療連携にも役立つことを示した。国内で外科手術の均てん化や現場の外科医のサポートに有用と期待できる」とコメントした。
NTTコム、日本外科学会、メディカロイド、IRCADでは、実験の成果が安全で正確な遠隔手術の社会実装と世界的な医療アクセスの大幅な向上に役立つとみており、今後も国際間の遠隔手術の実現に取り組むとしている。