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DNP、横浜市大と肺がん検診読影の効率化と人材活用で画像診断支援AIの有効性を検証

AIを活用した肺がん検診読影のイメージ

大日本印刷(DNP)は10月27日、横浜市立大学と画像診断支援AI(人工知能)を活用した胸部エックス線画像の肺がんスクリーニング研究を開始したと発表した。医師不足や働き方改革が叫ばれるなか、人材の適正活用の1つとして、肺がん検診時に撮影する胸部エックス線画像の読影でAIの有用性を検証する。

エルピクセルが開発した画像診断支援AIソフトウエアを使用し、横浜市立大学の医師2名が読影した場合と、医師1名とAIで読影した場合を比較し、肺がんの検診読影にAIを活用する場合の有効性を確かめる。

研究には横浜市立大の放射線診断の学石渡義之講師と宇都宮大輔教授の研究グループが協力する。両者は医療現場のAI導入を促進することで、読影運用業務の効率化と医師不足解消につなげることを目指す。

DNPによると、エックス線画像から病気の有無や程度を診断する「検診読影」は、医師の確保が難しくなりつつあるという。

また、日本では肺がん検診に胸部エックス線画像の読影が行われており、厚生労働省のがん検診実施の指針では「2名以上の医師による二重読影」が推奨されているなか、医師1名による読影とAI技術の併用が可能になれば、医師の負担軽減と限られた人材の適切な活用が期待できるとしている。

両者は、読影業務の効率化を手始めに、今後も医療分野のAI技術の研究と開発を進めていく考え。